2006年7月
東京慈恵会医科大学 消化器外科医局長の 鈴木 裕さん 手術法の進歩によって胃がんの治療成績は向上してきました。半面、胃切除後の後遺症対策は、今もって十分とはいえず、後遺症に苦しむ患者さんが跡を絶ちません。なぜ後遺症が起こるのか、不快な症状を和らげるにはどんな方法があるのか、東京慈恵会医科大学消化管外科医局長の鈴木裕さんと胃を切った人友の会「アルファ・クラブ」にお話をうかがいました。 胃がん手術...
2006年7月
国立がん研究センター東病院内科医師の土井俊彦さん 従来の抗がん剤に代わって、新しく出現した分子標的治療薬。既に乳がんや肺がんなどで効果を上げているが、今最も注目されているのが消化器がんの分野。大腸がんを皮切りに、消化器の領域に、アバスチン、アービタックス、ハーセプチンなどの分子標的治療薬が続々と登場してきている。この現状を整理してご報告しよう。 分子標的治療薬と呼ばれる新しい薬剤が注目を集めて...
2006年6月
サポート医師・赤倉功一郎 東京厚生年金病院 泌尿器科 部長 あかくら こういちろう 1959年生まれ。 84年千葉大学医学部卒業、同大学泌尿器科入局。 90年千葉大学大学院修了、医学博士。 90~93年カナダ・ブリティシュコロンビアがんセンターがん内分泌学科・ポストドクトラルフェロー。 千葉大学助手、講師、助教授を経て、2002年より現職。 前立腺がんの臨床的基礎的研究に従事 排尿障害に悩んで...
2006年6月
東京慈恵会医科大学青戸病院 副院長の 吉田和彦さん がんといわれて、ショックを受けない人はいません。けれども、そこでベストな治療を受けるために必要なのは、情報と心構えではないかと思います。 この場合の情報には2種類あります。ひとつは治療に関する最新情報、ひとつは自分のがんがどんながんで、どんな状態にあるかという情報です。 一方、この場合の心構えとは、あなたが自分の人生をどう考え、...
2006年6月
国立がん研究センター東病院 消化器内科部長の 大津敦さん 進行・再発した大腸がん患者に対する化学療法は、ここ5年ほどの間に劇的な変化を遂げつつある。数多くの新しい薬剤が登場して、大幅な生存期間の延長が証明されている。現状では、残念ながら大腸がんの30パーセントほどは手術後に再発する。しかし、運悪く再発してもあきらめることはない。日本でも世界標準の化学療法が受けられる日が近づきつつある。進行・...
2006年6月
杏雲堂病院副院長の 岩間毅夫さん 大腸がんの中でも、遺伝性の要因が発症に深く関与していると考えられるのが家族性大腸腺腫症(FAP)と遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)。発生頻度の少ない疾患だが、一般のがんが手術をすれば一応の治療目的を達するのに、手術は治療の始まりにすぎず、一生を通じて、あるいは世代を超えた長期戦略でのぞまなければならないのがこれらの疾患だ。遺伝性ということで世の中の誤...
2006年6月
福島県立医科大学 第2外科学教授の 竹之下誠一さん 大腸がんの中でも、直腸がんになるとやっかいだ。かつては、肛門を切除して人工肛門をつける手術が一般的だった。1960年代には、直腸がん患者の約6割が人工肛門になったとされる。今ではかなり少なくなっているが、それでもがんが肛門近くにできると人工肛門になる。この壁を放射線化学療法を導入することによって打ち破ろうとしている医療機関がある。それを紹介し...
2006年6月
金沢大学がん研究所助教授の 高橋豊さん 海の向こうでは、すでにアバスチンとアービタックスという分子標的薬が進行再発大腸がんの標準治療薬になっている。その足音がひたひたとこちらにも近づいている。その分子標的薬の視座から今日の抗がん剤治療をのぞき見ると、そこから何が浮かび上がってくるか。血管新生阻害剤の先駆けである金沢大学がん研究所の高橋豊さんに聞く。 血管新生阻害剤の第1号 大腸がんの抗がん...
2006年6月
サポート医師・安藤正志国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科 あんどう まさし国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科 1965年生まれ。 89年名古屋市立大学医学部卒業。2001年より現職。 モットーは、「リスク・アンド・ベネフィットを考えた治療」。 患者さんに与えるリスクをよく考えて、できるだけベネフィット(利益)を大きく引き出せる医療を目指しているいくら検査をしても、がんの原発巣が...
2006年5月
静岡がんセンター病院長の 鳶巣賢一さん 前立腺がんといえば、高齢がん、ゆっくりがん、ホルモン依存、抗がん剤が効きにくい、塊を作らず散らばりやすい等々、他のがんとは一風変わった性質を持っています。それだけに患者さんが治療を受ける場合、その人の考え方、生き方が大きな影響を及ぼします。治療法を選択していく場合、このことを頭に入れて、悔いの残らないように、慎重にしてほしいものです。 あなたはどう生きた...