2007年2月
東京大学病院 緩和ケア診療部副部長の 岩瀬哲さん 肺や骨などに転移した乳がんは、たとえ検査で1箇所しか見つからなくとも、すでに全身に微小な転移が存在しており、遅からず増殖するものとして、治療の目的は延命とQOLの維持になります。 つまり、がんによる症状や薬の副作用を極力抑えるのが、よい治療法と考えられるのです。 ところが、このインフォームド・コンセントが不十分なまま化学療法を行って、日常...
2007年2月
東京女子医科大学病院 泌尿器科准講師の 橋本恭伸さん 2006年11月にオープンした東京女子医科大学病院前立腺腫瘍センターには、国内で他に例を見ない多彩な前立腺がん治療の選択肢が用意されている。 泌尿器科准講師の橋本恭伸さんは「患者さんの条件と希望に応じて最適の治療を提供できる場にした」と語る。 前立腺がん治療の3本柱、手術、放射線、ホルモン療法をどう使い分けるのか、とりわけカギを握る...
2007年1月
筑波大学医学部付属病院 腎泌尿器外科教授の 赤座英之さん あかざ ひでゆき 1946年東京生まれ。 73年東京大学医学部卒業。74年東大医学部泌尿器科助手。80年学位取得。 82年米国テネシー大学泌尿器科客員助教授。 86年東大医学部泌尿器科講師。 90年筑波大学臨床医学系泌尿器科助教授。 97年筑波大学臨床医学系泌尿器科教授。 専門は泌尿器科学、泌尿器腫瘍学、化学療法。日本泌尿器科学会理事。...
2007年1月
サポート医師・篠原信雄 北海道大学大学院 腎泌尿器外科助教授 しのはら のぶお 1984年北海道大学医学部医学科卒業、同泌尿器科講座・研修医に。 1985年苫小牧市立総合病院泌尿器科、 87稚内市立病院泌尿器科勤務、 89年アメリカ合衆国ミシガン大学泌尿器科 Visiting researcher、92年同助手、99年同講師、05年より現職 血尿で異変が発覚。専門病院で「腎臓がん」と確定診断 ...
2006年12月
サポート医師・金 成元国立がん研究センター中央病院 血液内科・幹細胞移植科医師 きむ そんうぉん 1971年生まれ。 1996年東海大学医学部卒業、同大学病院で2年間の臨床研修ののち、同大学血液・リウマチ内科にて1年間臨床に従事。 1999年6月国立がん研究センター中央病院内科レジデント、がん専門修練医を経て現職。 モットーは、「患者さんとそのご家族とともに考えながら進める診療」経験のない激しい...
2006年12月
聖路加国際病院 ブレストセンター長 中村清吾さん なかむら せいご 聖路加国際病院ブレストセンター長、乳腺外科部長。 1982年千葉大学医学部卒業。聖路加国際病院外科レジデント。97年米国MDアンダーソンがんセンターで研修。99年マクマスター大学でEBM研修。03年聖路加国際病院外科医長。06年聖路加看護大学臨床教授 聖路加国際病院薬剤部の 渡部一宏さん わたなべ かずひろ 聖路...
2006年11月
国立がん研究センター東病院 化学療法科の 向井博文さん どんながんでも、再発・転移すると治療が難しくなるものだが、幸いにして乳がんの場合はホルモン療法が有効であり、抗がん剤や分子標的治療薬など新しい薬が次々と登場している。より効果的で負担の少ない治療法についても検討されている。 再発乳がんの治療はどこまで進んでいるのだろうか。 手術時にすでに見えないがんの芽 乳がんが再発・転移する人はどれ...
2006年11月
慶応義塾大学病院外科医師の 才川義朗さん 胃がんに放射線は効かない、下手すると孔が空いてとんでもないことになる。というのが、これまでの医療界の常識だった。5年前に、欧米の臨床試験で放射線と抗がん剤の同時併用療法が「胃がんに効果あり」と発表されたときも、日本の医師たちはみな懐疑的だった。しかし、ここへきてようやく、日本でも「効果あり」とのデータが出始めてきた。 胃がんに化学放射線治療を導入 「...
2006年11月
一定の条件が揃えばという説からチンピラ・極悪人細胞説まで「再発・転移がんは、手術や放射線治療をすると、かえってがんが急激に増大する」と医療界ではまことしやかに言われている。もし本当だとすれば、それは避けなければならない。編集部にも、患者さんから「そんな説明を受けた」とする相談が寄せられている。果たしてそんなことが実際にあるのだろうか?重要なポイントは患者の健康状態東京医科大学第1外科講師の坪井正博...
2006年10月
国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科医長の 石井浩さん 胆道がんは早期発見された場合の切除手術以外に有効な治療法がなく、「見捨てられた病気」という見方さえある。そこへ、この度、非小細胞肺がんや膵がんの治療薬として認められている抗がん剤のジェムザールが胆道がんの治療薬として承認された。胆道がんの最新治療と今後の課題を探ってみる。 これといった治療法がない [図1 肝臓と胆道の図] 胆...