2013年6月
「パターンを知ることで、不安感は払拭できます」と朴 成和さん がんの化学療法は、医療の進歩や患者さんの意識変化など、さまざまな要因から外来治療で行われることが多くなっている。大腸がんでも同様だ。ただ、外来化学療法を受けるにあたり、患者さんが注意しなければならない点がある。外来化学療法は患者さんのQOL向上にメリット■表1 外来化学療法のポイント治療の目的・効果治療のスケジュール副作用の特徴急変時の...
2013年6月
「がん種に合わせた食べ方で食事を楽しみましょう」と話す須永将広さん 毎日の食事は、がん患者さんにとって大きな楽しみの1つだ。過酷な手術を経たあとには、日常に復帰した証しともなる喜びである。食事の作り手が愛情を込めた料理は、患者さんの何よりの励みにもなるはずだ。しかし一方では、手術や化学療法などのがん治療によって、身体に変化が起こっている。そんなとき、何をどのくらい食べて良いのか、食事への不安を抱き...
2013年5月
「専門施設での受診が大切」という上野誠さん 膵がんは早期発見が難しいうえ、再発・転移もしやすく、手術をしてもほとんどの人が再発する。しかし、最近では、これまでの治療成績を凌駕する新しい治療法が相次いで登場するようになり、期待が膨らんでいる。術後3年以内に約7割が再発膵がんを根治できる治療法は手術だが、実際には手術可能なのは全体の2~3割にすぎない。さらに、膵臓は周囲に血管やリンパ管が張りめぐらされ...
2013年5月
膵がん治療を研究する県立静岡がんセンター副院長の上坂克彦さん 膵がんは、数多いがん種のなかでも最も予後が悪いもののひとつとされている。そのような状況の中、2013年1月のASCO-GIで日本人医師が画期的な発表をして注目された。手術後の補助化学療法で、TS-1を従来の標準治療薬と比較した臨床試験の結果だ。膵がんの年間罹患数、死亡者数はともに30,000人近く、死亡者数は肺、胃、大腸、肝に次いで5位...
2013年5月
「ライフスタイルにあった治療法を選択していくことが大切です」と話す坪井正博さん 肺がんにはさまざまなタイプがあり、再発や転移の治療もそれに応じて異なる。患者さんの状態によっても選択肢は変わる。近年はそんな状況に応じて適応する治療法も増えているが、患者さん自身がQOL(生活の質)向上とライフスタイルの確立を目指すことが第一だ。肺がん再発・転移の特徴は?肺がんは難治のがんといわれ、治療効果を測る5年生...
2013年5月
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター副院長の吉田和彦さん 局所にできたがんを取り除いても、患者さんを常に不安にするのが、「再発・転移」だ。どのような仕組みで起こるのか、どのようながん種に多いのか、対処するにはどのような方法があるのか――。Q1 「再発」「転移」ってなに?■再発転移に関する用語原発がん最初に発生したがん領域がん原発巣近くのリンパ節や周辺の組織・臓器に浸潤*したがん転移がん原発巣とは別...
2013年5月
肝切除術と肝移植手術を数多く手がける川崎誠治さん 手術でがんを切除できても、再発率が高いのが肝がん。ただし、再発しても再び手術できるほか、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術、肝動注化学療法、さらには肝移植や分子標的薬による治療などもある。患者さんの状態に合ったより適切な治療選択が可能となっている。5年後の再発率は8割■図1 肝がんの特徴肝がん(肝細胞がん)は再発の割合が高く、切除手術でがんを取り切れて...
2013年5月
「希望をもって治療にあたっていただきたい」と竹島信宏さん 再発すると、治療が難しいと言われる卵巣がん。それでも、がんの増殖を抑えることで、できるだけ長く元気な時間を過ごせるよう、色々な治療方法が模索されています。腫瘍マーカーCA125の上昇が再発治療のサイン■図1 腹腔内に広がった段階卵巣がんは腹腔内にあって自覚症状が出にくく、見つかった段階で40~50%がⅢ~Ⅳ期に進行しているとされる。そして、...
2013年3月
頭皮冷却装置を用いた脱毛予防に取り組む木下貴之さん 抗がん薬の副作用の中でも外見の印象を変える「脱毛」は、女性患者さんの苦痛度が高い。そういった患者さんの声に応えようと、国立がん研究センター中央病院では、頭皮冷却装置を用いた頭皮冷却法が行われている。苦痛度ランキング1位は脱毛抗がん薬治療時にはいろいろな副作用が起こるが、なかでも脱毛は予防策がなく、患者さんにとって大きな悩みとなっている。とくに乳が...
2013年3月
「焦らず正しい情報を得てから治療へ入りましょう」と話す黒井克昌さん 乳がんは年間約6万人が罹患し、年々、患者数は増え続けています。これまでは、閉経前後の40代後半~50代前半に多かったが、閉経後の患者さんも増えています。ここでは初期治療の基礎知識について、わかりやすく解説します。Q1 がんは乳房のどこにできるの? 乳房は乳腺と脂肪などからなり、じん帯によりその形が保たれています。乳腺は、乳汁(母...