2013年9月
「不安に思う症状は、何でも相談してください」と話す西村さん 食道がんにおいては、放射線治療の果たす役割は大きいが、粘膜組織である食道は放射線のダメージを受けやすく、副作用は避けられない。がん放射線治療に伴う副作用症状の予防や緩和、セルフケア支援について、日本看護協会認定のがん放射線療法看護認定看護師の西村美穂さんに話を聞いた。食道がん治療で多用される放射線■図1 放射線による副作用が現れる時期(化...
2013年9月
「治療ができた場合のGISTは予後がいい」と話す山田康秀さん GISTとは、消化管間質腫瘍の略称で、胃に多く現れるが、胃がんとは発症メカニズムが違う悪性腫瘍だ。珍しい病気だが、分子標的薬の登場や遺伝子レベルの研究でより効果の高い治療が行われる時代になった。GISTで一番多いのは胃に発症するもの■図1 GISTのできる部位国立がん研究センター資料よりGISTは、15年ほど前に明らかになった腫瘍だ。そ...
2013年8月
「臨床試験でエビデンスをつくり出すことと、日々の臨床で目の前の患者さんの問題を解決することを両輪でやらなくてはならない」と語る渡辺 亨さん 進化を続ける乳がん治療。分子標的薬の登場からサブタイプ別の個別治療など最近の流れは速い。6月末に開催された日本の乳がん医療者が1年に1回、一堂に会する「日本乳癌学会学術総会」の会長を務めた浜松オンコロジーセンター院長の渡辺亨さんに今後の展望を聞いた。乳癌学会は...
2013年8月
「再発リスクを考慮した治療が大切」と語る津川浩一郎さん ホルモン受容体陽性の乳がんではホルモン療法が有効だが、術後補助療法の標準治療であるタモキシフェン5年服用を10年間に延長すると、再発と乳がんによる死亡リスクが低下することが指摘されている。7~8割がホルモン受容体陽性■図1 乳がんとホルモン療法乳がんは腫瘍細胞のエストロゲンが深くかかわっているため、ホルモン受容体陽性乳がんの場合は、治療の中心...
2013年8月
「患者さんの負担軽減を考えた放射線治療を目指しています」と語る鹿間直人さん 2年に1回、主に早期乳がんの治療指針が示されるザンクトガレン国際乳がん会議。その第13回会議が開催され、最終日のコンセンサス会議*では放射線治療に対しても、現時点での「評価」が行われた。その内容を盛り込みながら、最新放射線治療について紹介しよう。*コンセンサス会議=ザンクトガレン会議の特徴的な会議。世界各国から参加した約5...
2013年8月
「遺伝子検査を行うことで、治療を効果的に行い、無駄な副作用を省くことができます」と話す山内英子さん 個別化が進む乳がん治療だが、がん細胞の遺伝子を知ることで、より合理的な治療選択が可能になっている。日本ではまだ普及には遠いが、海外では一般的な乳がんの遺伝子検査。その実際とは――。がん細胞のタイプに合わせた適切な治療とは?■図1 乳がん細胞にはいろいろな種類がある乳がん細胞には、ホルモン受容体の帽子...
2013年8月
Andrew Seidman 1959年ニューヨーク生まれ。1995年から現在まで世界のトップレベルであるMSKCC(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)で乳がん領域の第一線で活躍する腫瘍内科医。多くの重要な臨床試験を実施しASCOなどで報告している 米国の有名女優が、がん予防のために乳腺を切除して乳房を再建するというニュースが話題を呼んだ。米国での乳がん...
2013年8月
「家族の助けも借りながら、バランスのよい食事を心がけましょう」と話す高嶋浩子さん 副作用の症状のために食事が摂りにくかったり、調理が困難といった悩みを抱える乳がん患者さんは少なくない。また、乳がんと食べ物・栄養の関連について、巷ではさまざまな情報が溢れ、どのように食事をしたらよいのか戸惑う患者さんも多い。乳がん患者さんの食事に対する基本的な考え方とはどのようなものだろうか。副作用を乗り切る食事 ■...
2013年8月
「適応の方にはすぐにでも併用を検討したい新薬です」と話す堀口 淳さん ハーセプチンの登場によって、HER2陽性乳がんの治療効果が大きく前進してから十数年、このタイプの乳がん治療をさらに大きく飛躍させる新薬が登場した。HER2陽性切除不能・再発乳がんの治療薬として2013年6月に承認された新薬「パージェタ」だ。どのような治療薬なのか? その効果は? 期待の新薬の全貌を紹介する。新しい抗HER2薬乳が...
2013年8月
骨転移は10年、15年たっても発現率は低下しないと話す中村さん 治療法の進歩によって、進行再発乳がんの生存期間は大幅に延長し、慢性疾患としての治療が必要になっている。そこで問題となるのが骨転移である。乳がんは骨に転移しやすく、骨折や疼痛などが生じると、QOLは急速に低下していく。骨転移による骨病変をうまくコントロールする治療が求められている。骨に問題のある世代に乳がんが増加している■図1 年齢別乳...