連載

コラム・レポート

がん哲学「樋野に訊け」 28 今月の言葉「自分ががんになったのはこの時のためかもしれない」

2018年11月

親友に会いたいが心配させたくないT・Mさん 独身/68歳/兵庫県 Q 4年前に乳がんを患いました。診断はステージ(病期)Ⅱで、乳房の全摘手術とその後のホルモン療法で元気を取り戻すことができました。そしてあと一息で5年を迎えようというときに、状況が一変しました。術後4年の検診で、肺と脳への転移が見つかったのです。転移部位は6カ所、現在は通院で化学療法と放射線治療を受け続けています。もっとも、率直にい...

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ドイツがん患者REPORT 49 「娘の結婚式」

2018年11月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 2018年10月1日、娘が結婚しました。新郎とはすでに6年の付き合いですが、5月の婚約後たった5カ月で結婚というのはドイツではかなり珍しく、「急遽」という言葉が当てはまります。僕が娘から話を聞いたのが8月の中旬ですから、あっという間に当日に。娘の願いで、姉と妹も急な話にもかかわらず日本から駆けつけて...

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腫瘍内科医のひとりごと 94 「スマホ時代の納得治療」

2018年10月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 この2年ほど前からWさん(48歳、花屋)の傍には常にスマホがあり、新聞は読まなくとも、1日10回以上もスマホを見る生活になりました。あるとき、下痢と腹痛があり、近所のA内科医院を受診しました。A...

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がん哲学「樋野に訊け」 27 今月の言葉「大きな気持ちで臨めば、新たな人生を切り開くエネルギーになる」

2018年10月

末期がんの夫に裏切られていたS・Mさん 主婦/67歳/東京都 Q 3年前、それまで40年以上、連れ添ってきた夫に大腸がんが見つかりました。手術と抗がん薬で回復したものの、1年前に肝臓、骨に転移が見つかり、現在はある病院でモルヒネを用いた緩和ケアを続けています。長い間、苦楽を共にしてきた人だから最期まできちっと見守り続けたい。そう思って介護を続けてきたのですが、予想だにしない事態に見舞われました。モ...

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ドイツがん患者REPORT 48 「MRIの造影剤」

2018年10月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ CTは、ドイツでもCTと呼び、文字通りComputer Tomographie(断層撮影)の略です。しかし、MRIについてはMRTと呼び、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)ではなく、Magnet Resonance Tomographieの略です。Imagingでは...

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腫瘍内科医のひとりごと 93 「がん免疫治療でがん治療の時代は変わる」

2018年9月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある病院で月に1度、がん治療の相談を受けていますが、先日の相談例は衝撃でした。40歳男性、右の進行した肺がんで右肺全摘術。でも、がんは全部取り切れませんでした。胸膜に残ったがんは急速に大きくなり...

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がん哲学「樋野に訊け」 26 今月の言葉「人生に逆境も順境もない」

2018年9月

職場の仲間や友人たちにもがん罹患を知らせるべきかE・Rさん パート勤務/女性/埼玉県さいたま市 Q 今年(2018年)の5月、入浴後に体を拭いているとき、右乳房の奥にウズラの卵大のしこりを見つけました。嫌な予感を覚え、翌日、近所の病院を受診すると、不安は的中していました。ステージⅡの乳腺がん。ただ比較的、早期のがんなので、手術とかホルモン療法で完治も可能とのこと。そのこともあって、がん告知の後の落...

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ドイツがん患者REPORT 47 「ドイツの子宮頸がんワクチンの予防接種の今」

2018年9月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 今、僕の部屋のテレビはいくつかの事情により国営第1放送しか映りませんが、ワールドカップ・ロシア大会のとき以外は、とくに不自由は感じていません。その国営第1放送に、「プラス・マイナス」という興味深いドキュメント番組があります。エビデンス(科学的根拠)に基づいたデータを取り入れて、いろんなトピックを紹介...

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腫瘍内科医のひとりごと 92 「がん」という言葉

2018年8月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 内科外来診療の日、職場の健康診断で異常を指摘された方2人が初診として来られました。Oさん(65歳、男性、会社非常勤再雇用)は、とても不安そうな顔でした。「人間ドックでPSA(前立腺特異抗原)が高...

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がん哲学「樋野に訊け」 25 今月の言葉「流れに身を任せ、今日を精一杯生きていけばいい」

2018年8月

息子が戻ってくるまで、家業に励みたいY・Tさん 70歳/和菓子店経営/女性/東京都国立市 Q 30代で両親を亡くし、40代で夫とも死別した後、女手ひとつで嫁ぎ先の稼業である和菓子店を切り盛りしてきました。事業は順調で、私が采配を振るうようになってから地元で2店を新規開店。今では地域の有名店として、雑誌などでも取り上げられるようになりました。亡くなった夫との間には、2人の息子にも恵まれています。息子...

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