連載

コラム・レポート

腫瘍内科医のひとりごと 100 ある緩和病棟でのこと――死ぬ覚悟

2019年4月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 あるがん遺族の会報で、とても気になった投稿がありました。それは、緩和病棟に入院したお母様のことでした。「苦しんで逝かせてしまいました。……(母は)死ぬことを恐いと言い、呼吸ができなくなりそうだっ...

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ドイツがん患者REPORT 53 「病院の食事」

2019年3月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 僕は手術するとわかれば、とにかくカロリーの高いものを食べて体重を1グラムでも増やそうと努めました。理由は病院の食事が全く口に合わなくて食べられなくなり、極端に痩せてしまうからです。よく入院していた頃は、抗がん薬の副作用で味覚がおかしくなりました。感じるのは甘味だけ、苦みはかすかにわかる程度。塩味や辛...

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腫瘍内科医のひとりごと 99 毎朝の歌「朝のひととき・早春賦」

2019年3月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 私たちの病院でのことです。がん患者さんの多い病棟の廊下のコーナーで、月曜日から金曜日まで毎朝、患者さんの歌声が響いていました。通算10年以上、2009年3月31日まで続きました。朝8時半頃から体...

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ドイツがん患者REPORT 52 「抗がん薬としてのメサドン」

2019年2月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 少し前の話になりますが、昨今のドイツの風潮によくありがちな話なので紹介します。メサドン(商品名メサペイン)、ドイツでは麻酔薬にも分類されている鎮痛薬が、日本でも中程度から高度の疼痛を伴うがん患者に処方されていると聞きました。薬自体は、かなり前からドイツにはあり、構造がシンプルな鎮痛薬です。10年ほど...

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腫瘍内科医のひとりごと 98 「がん温熱療法と温泉」

2019年2月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 寒い日に、温かいお話をします。がんが熱に弱いことは昔からわかっていました。がん細胞は42℃以上、43℃になると壊れていきます。以前、私たちは、なかなか効果が得られない進行胆のうがんに対して、温熱...

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がん哲学「樋野に訊け」 31 今月の言葉「歯を食いしばって笑顔をつくる」

2019年2月

かけがえのない子どもを白血病で失ってしまったR・Eさん パート勤務/37歳/東京都 Q 昨年の秋のことでした。私たち夫婦の一人息子が急性骨髄性白血病(AML)のため10歳で亡くなりました。病院では最善の治療を施してもらったと思っていますし、私たち夫婦もできるだけのことはやったと思っています。でも、1人息子を亡くした思いは生易しいものではありません。それ以来、私はまるで抜け殻のような毎日を送っていま...

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ドイツがん患者REPORT 51 「天使」

2019年1月

「懲りずに夢を見ながら」ロックギタリストを夢みてドイツに渡った青年が生活に追われるうち大腸がんに‥ 「10月31日、子供たちがドアの呼び鈴を鳴らしてお菓子をねだりにやってくる」ドイツには元々なかった行事ですが、いつしか定着して仮装した若者たちがパーティに行く様子も例年通り見られました。バイエルン州ではそれも夜12時まで。日付が変わると、野外でのダンスや大きな音での音楽は禁止です。日本では最近、公道...

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がん哲学「樋野に訊け」 30 今月の言葉「大切なのは支えることではなく、寄り添うこと」

2019年1月

末期がんの夫が自分の話を受け入れてくれないE・Uさん 主婦/68歳/大阪府 Q 40年以上連れ添った夫に、去年の秋、大腸がんが見つかりました。がんはすでにステージⅣ、肺や骨に複数の転移も見つかっています。先生は半年程度とみているようです。そんな状態だから、私は夫との最後のひと時を精一杯楽しく過ごしたいと思っています。夫が元気なうちに「旅行に行ってみませんか」と提案したりもしています。海外旅行は難し...

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腫瘍内科医のひとりごと 97 「挑戦してこそ得られる結果」

2019年1月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 がん化学療法で、最近すこし気になることがあります。医師の治療ガイドラインの標準治療。それが最も大切で、標準治療が効かなくなったら緩和を勧める、それが規定路線。それで何ら問題はないのかも知れないの...

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腫瘍内科医のひとりごと 96 患者の想い・医師の想い

2018年12月

ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Sさん(45歳男性、スーパーの支店長)は、胃がん手術1年後に、腹腔内のリンパ節に再発し、抗がん薬の点滴と内服治療を行った。約半年でリンパ節転移は消失し、抗がん薬治療は内服のみとなった。それから2...

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