“進行尿路上皮がん” 維持療法で免疫チェックポイント阻害薬併用により生存期間が延長 ~米国臨床腫瘍学会(ASCO)2020 Virtual

[2020.06.01] 文・編集●「がんサポート」編集部

進行尿路上皮がんでは、一次治療としてプラチナ製剤をベースとした化学療法が用いられ、治療終了後、通常はベストサポーティブケア(BSC:支持療法)に移行することになる。二次治療を受ける患者は25~55%とも言われるが、化学療法に対する抵抗性が生じて再発するケースも多く、一般的に無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともに短い。

「JAVELIN Bladder 100第Ⅲ相試験」の詳細報告

こうした状況下で、化学療法後の維持療法として、BSCに免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体:アベルマブ)を併用することにより、BSC単独群との比較で、全生存期間、無増悪生存期間ともに有意に延長したとの、「JAVELIN Bladder 100第Ⅲ相試験」結果の詳細が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2020 Virtual(5/29~31オンライン開催)で報告された。

「JAVELIN Bladder 100試験」は、日本を含む国際多施設共同、無作為化、非盲検、並行群間比較第III相試験。切除不能局所進行もしくは転移性尿路上皮がん患者で、化学療法後、病勢進行が認められない症例700例を、無作為にBSC+アベルマブ併用群350例、BSC単独群350例に割り付け、19カ月以上(中央値)追跡した。症例の半数以上(51%)がPD-L1陽性であったという。

PD-L1陽性集団でも全生存期間、無増悪生存期間ともに有意に延長

その結果、主要評価項目の全生存期間(中央値)は、併用群21.4カ月に対し、単独群は14.3カ月と有意差(p<0.001)が認められた。PD-L1陽性集団でも、単独群17.1カ月に対し有意差(p<0.001)を認めた(※併用群では、データカットオフ時点で生存率50%に未到達)。

また、副次評価項目の1つ無増悪生存期間においては、併用群3.7カ月 vs. 単独群2.0カ月。PD-L1陽性集団でも、併用群5.7カ月、単独群2.1カ月と、それぞれ有意差(p<0.001)が認められた。

グレート3以上の有限事象の発現率が47.4%

有害事象に関しては、グレート3以上の発現率が併用群47.4%に対し、単独群25.2%であった。内訳は、尿路感染(4.4% vs. 2.6%)、貧血(3.8% vs. 2.9%)、血尿(1.7% vs. 1.4%)、疲労感(1.7% vs. 0.6%)、背部痛(1.2% vs. 2.3%)などであった。

報告者の英クイーン・メアリー大学泌尿生殖器腫瘍学のThomas Powles教授(バーツがん研究所所長)は,「アベルマブは、一次化学療法で病勢進行がみられなかった進行尿路上皮がん患者に対する一次維持療法において、新しい標準治療薬になるであろう」と述べている。

アベルマブ(製品名:バベンチオ)=アベルマブは、日本では2017年9月に製造販売承認を取得。適応症は「根治切除不能なメルケル細胞がん」。また、2019年12月には、アキシチニブ(製品名:インライタ)との併用療法で、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」への追加適応の承認を取得している。

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート12月 掲載記事更新!