妊娠・出産に影響のない乳房再建方法は

回答者・岩平佳子
ブレストサージャリークリニック院長
発行:2015年3月
更新:2015年6月

  

現在31歳で、将来妊娠・出産を考えています。左乳房の乳がん手術をすることになり、乳房温存術を希望したのですが、私の場合、温存術なら術前化学療法をしたほうがよいとのこと。ただし化学療法を行うと無排卵になるリスクがあると言われました。全摘術であれば、術後の病理検査の結果次第で、抗がん薬治療をしなくても済みます。その場合、乳房再建したいのですが、妊娠・出産に影響なく再建できる方法はありますか。

(31歳 女性 和歌山県)

背中の筋肉を使う再建か、インプラントによる再建を

ブレストサージャリークリニック院長の岩平佳子さん

将来的に妊娠・出産を考えていらっしゃる方も、問題なく乳房再建を受けることができます。ただし、お腹の自家組織を使う再建は適しません。

乳房再建には自分の体の組織を使う再建、インプラントを使う再建、両方を使う再建があります。お腹の筋肉、皮膚、脂肪に血管をつけた状態の組織を乳房に移植する「腹直筋皮弁法」や、お腹の脂肪組織を脂肪組織につながった細い血管ごと乳房に移植して再建する「穿通枝皮弁法」は、妊娠・出産を計画している人には不向きです。

背中の筋肉を使って再建する「広背筋皮弁法」やインプラントによる再建を検討されるといいでしょう。術後、化学療法の必要性があった場合は、卵子の凍結保存(パートナーのいる方は受精卵として)など妊孕性保持の対応をしている施設もあるので、主治医に相談されるとよいと思います。

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