仕事を続けながらの治療は可能か?

回答者:井関 徹
東京大学医科学研究所付属病院 輸血部講師
発行:2004年6月
更新:2013年12月

  

34歳になるキャリアウーマンです。ここ1~2カ月、非常に疲れやすく、体がだるくてしょうがないので、病院を訪れました。精密検査を受けたところ、慢性リンパ性白血病と診断されました。先生は抗がん剤治療をするとおっしゃるのですが、私は仕事を続けたく、副作用の強い抗がん剤は避けたいと思っています。免疫療法など、できるだけ穏やかな治療で、仕事をしながら治療できる方法はないでしょうか。また、会社には知られたくないので、休暇もあまり取りたくありません。会社をあまり休まずにできる治療はないでしょうか。

(神奈川県 女性 34歳)

A 検査結果や治療経過次第

慢性リンパ性白血病には、いろいろなタイプと病期(ステージ)があります。治療方針は病型や病期によって、かなり異なります。慢性リンパ性白血病は欧米では一般的な白血病ですが、日本人では比較的まれです。ほかの白血病と異なり、一般的に進行が緩やかで、病期の早いものであれば、10年生存率まで期待できる疾患です。

ただし、今回のケースでは、健康診断で偶然発見されたわけではなく、症状があって病院を訪れています。もう少し詳しいデータがないと判断しかねる部分はありますが、貧血などがあって、比較的病期が進んでいる可能性はあります。

病型によっては無治療、あるいはごく軽度の化学療法を外来で行うだけで済むこともあります。

一部の危険度の高い症例では、比較的強力な化学療法が必要で、短期間であっても、入院が必要になるかもしれません。新しい抗がん剤による治療成績や抗体療法の長期成績はまだ出ていませんが、検査結果や治療経過次第では考慮してみる価値が出てくるかも知れません。

ただし、上記の治療では治癒までは期待できないため、状況によっては造血(造血幹)細胞移植も考慮されるべきかもしれません。造血細胞移植には、骨髄移植や末梢血幹細胞移植、臍帯血細胞移植などがあります。

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