悪性胸膜中皮腫で手術を受けた。再発した場合の治療法は?

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2009年7月
更新:2013年12月

  

5年前、右肺に胸膜肥厚が見つかり、生検の結果、悪性胸膜中皮腫とわかりました。病期は1期で、手術を受けました。退院後、CT検査などを定期的に受けています。 幸い、現時点では再発の疑いはありませんが、再発の不安でいっぱいです。再発した場合、どんな治療法があるのでしょうか。

(大阪府 男性 60歳)

A シスプラチンとアリムタの併用療法が標準的

細胞の形から上皮型、肉腫型、混合型(2相型)があります。上皮型で1期なら5年生存率は50~60パーセント、2~3期になると生存率は下がります。上皮型以外の型は、上皮型に比べて生存率は下がると言われています。

5年前に手術を受けられたとしたら、再発は少なく、完治の希望が持てると思います。再発は、切除した近くの腹膜、後腹膜、心膜、反対側の胸膜などに出やすく、遠くの場所に転移することは少ないです。

再発した場合は、抗がん剤治療を行います。シスプラチン(一般名)とアリムタ(一般名ペメトレキセド)の併用療法が標準的です。アリムタの代わりに、ジェムザール(一般名ゲムシタビン)などを用いることもあります。将来的には、放射線療法のIMRT(強度変調放射線療法)を併せて行う施設も出てくるかもしれません。

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