
2017年2月
「新たな免疫チェックポイント阻害薬の開発も進んでいます」と語る佐々木治一郎さん 非小細胞肺がんにオプジーボが承認されてから約1年。昨年(2016年)12月には、新たな免疫チェックポイント阻害薬として、キイトルーダが適応追加されている(2017年1月現在、薬価は未収載)。肺がん治療を大きく変えようとしている免疫チェックポイント阻害薬。新薬の登場で、肺がん治療は個々に適した治療を行う、プレシジョンメデ...


2016年11月
第54回日本癌治療学会学術集会特別講演会場 免疫チェックポイント阻害薬オプジーボの登場で脚光を浴びるがん免疫療法。現在の承認は皮膚がんと肺がん、腎がんのそれぞれ一部に対してだが、そのほかのがん種への応用も盛んに研究されている。10月20~22日に横浜市で開かれた第54回日本癌治療学会学術集会(JSCO2016)では「がん免疫療法:特に免疫チェックポイント阻害薬」と題された教育セッションも行われ、臓...


2016年9月
ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性の再発がんに対する新しい治療薬が次々に開発されている。一方で、その新薬をどの時点で使用するのが効果的かという判断に基準はなく、医師の裁量に任されてきた。そこで、医師同士の意思疎通や判断の均質化につながるものとして「Window」というツールが注目されている。その内容について伺った。 ホルモン療法が基本 乳がんの4つのサブタイプのうち、「ホルモン受容体陽性HER...


2016年9月
慶應義塾大学病院皮膚科専任講師/病棟医長の舩越 健さん 皮膚リンパ腫は、悪性リンパ腫の1つで、通常の皮膚がんとは区別され、皮膚組織の中のリンパ球ががん化したものです。その1つである「皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)」は発症数が少なく、年間の新規患者数は10万人あたり0.4人ほどです。皮膚T細胞リンパ腫の代表的な疾患である菌状息肉症に対する全身療法として、これまでレチノイド系薬剤のチガソンを光線療法と...


2016年7月
EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療では、EGFR-TKI(EGFRチロシンキナーゼ阻害薬)が用いられます。第1世代薬のイレッサとタルセバ、第2世代薬のジオトリフがありますが、いずれ耐性ができ、薬が効かなくなってしまいます。2016年2月、第3世代薬のタグリッソが認可されました。この薬は、イレッサ、タルセバ、ジオトリフなどに耐性が生じた非小細胞肺がんに対する有効性が証明...


2016年6月
がん研有明病院の宋 菜緒子さん先月号では臨床試験や治験とは何かという基本を振り返った後に、どのような人が選ばれるのかということを見てきた。今号では、臨床試験が終わるまでを解説する。 適格基準は満たしているか 今回も企業が新薬の承認を目指すための「治験」を例に述べるが、医師主導の臨床試験でも基本は同じだ。前回のおさらいになるが、患者が治験に参加する経路は大きく2つある。1つは、担当医が治験を行ってい...


2016年6月
前立腺がんは骨転移を起こしやすく、ホルモン療法が効かなくなった患者さんの8~9割は骨転移を起こしています。その治療に、従来はランマーク、ゾメタ、メタストロンといった薬剤が使われてきましたが、今年(2016年)3月、新しい薬剤が承認されました。それがゾーフィゴです。これまでの3剤と大きく異なるのは、痛みや骨折といった骨関連事象(SRE)を抑えるだけでなく、生存期間を延ばす効果が証明されている点です。...


2016年5月
がん研有明病院の宋 菜緒子さん臨床試験や治験というと、言葉は知ってもいても、どのように行われているのかよく知らない、自分とは縁遠いものだ、と思っている患者や家族も多い。近年は免疫チェックポイント阻害薬に代表される新薬の研究が相次いでおり、医療機関に持ち込まれる治験の数も増えている。2回にわたり、臨床試験、とくに新薬を対象とした治験について分かりやすく解説する。 新薬ができるまで 新薬が市場に出回る...


2016年5月
GIST(消化管間質腫瘍)の治療は、手術による切除が第1選択です。発見されにくい腫瘍であるため、切除できない状態で治療を開始する場合も少なくありませんが、2003年に承認された治療薬グリベックは奏効率が8割近く、万一耐性ができても、第2、第3の選択薬が2剤あり、GIST患者の生存期間を延ばしています。 GIST(消化管間質腫瘍)の治療 GISTは、消化管にできる悪性腫瘍です。ただし、胃がんや大腸が...


2016年4月
高齢者に多く、進行が緩やかで、早期発見されることも多い慢性リンパ性白血病(CLL)。早期は経過観察が標準治療ですが、病気が「活動性徴候」を示したら治療を開始します。このとき、「通常量多剤併用療法可能」と判断された場合は、FCR療法が標準治療になっています。また、再発・難治例に対しては、2013年にアーゼラが、2014年にはマブキャンパスが、保険で使えるようになりました。 慢性リンパ性白血病(CLL...
