非小細胞肺がん 耐性後は再生検を行い 適切なEGFR-TKIで治療する
2016年3月
「効果がなくなれば再生検し、早期に適切な薬へ切り替えていただきたい」と話す木浦勝行さん EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの治療を大きく進展させた「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)」。しかし、使い続けると1年ほどで耐性が生じるのが課題となっていた。最近の治療戦略について、耐性に効果を発揮する新しいタイプのEGFR-TKIの登場を含めて紹介する。 EGFR...
2016年3月
「効果がなくなれば再生検し、早期に適切な薬へ切り替えていただきたい」と話す木浦勝行さん EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの治療を大きく進展させた「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)」。しかし、使い続けると1年ほどで耐性が生じるのが課題となっていた。最近の治療戦略について、耐性に効果を発揮する新しいタイプのEGFR-TKIの登場を含めて紹介する。 EGFR...
2016年3月
「オプジーボは慎重に使う一方、効果予測因子の解明なども必要です」と語る神田慎太郎さん 新しいタイプのがん治療薬である、免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボに対し、2015年12月、肺がんへの適応拡大が承認された。待ち望まれた薬剤だけに期待が高まるが、具体的にはどんな症例に使われ、どんな効果が見込めるのだろうか。また、副作用はどの程度あるのだろうか。その使われ方と今後の見通しについて話を伺った。 ...
2016年3月
悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)は、悪性腫瘍全体の1%、国内での患者数は5,000~6,000人ほどの希少がんです。これまで、アドリアシンとイホマイドが治療の中心でしたが、ここ数年で新薬が保険で認められるようになりました。悪性軟部腫瘍の治療における、新薬の位置づけ、従来の薬剤との違いについて、さらに、全身の様々な部位に生じるという、肉腫に特徴的な病態の中で、新薬を安全に効果的に使用するためのポイントを紹介...
2016年2月
神経膠腫の中でも悪性度の高いグレード3と4を、悪性神経膠腫と呼びます。中でも治療が難しいのは、グレード4の膠芽腫です。悪性神経膠腫の初発治療は、手術に、放射線治療とテモダールによる治療を組み合わせます。グレード4に対しては、日本ではアバスチンを併用することもできます。アバスチンを加えることで、再発までの期間が長くなります。 悪性神経膠腫の治療 悪性神経膠腫は悪性脳腫瘍の代表的な病気で、脳に発生する...
2016年2月
「薬価の高い分子標的薬を使用しないで済むという以外に、一番の目的は患者さんに喜んでいただけることです」と語る高橋直人さん 慢性骨髄性白血病(CML)は、かつては数年で急性に転化してしまい、予後が良くないという厳しい病気だった。しかし、21世紀になって分子標的薬グリベックが救世主のごとく現れ、生存率をぐんと上げた。一方で、グリベックには服用し続けなければいけないという難点もある。そこに切り込んだのが...
2016年1月
現在、日本膵臓学会の「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン」では、遠隔転移のある膵がんに対する最初の化学療法として、FOLFIRINOX療法とアブラキサン+ジェムザール併用療法の2つを推奨しています。ただ、どちらを選択すべきかについては明らかにされていません。手術ができない膵がんの治療をどのように考えるか、2つの治療法の特徴から考えてみましょう。 切除不能膵がんの治療 膵がんの治療は、手術による...
2015年12月
「ホルモン受容体陽性(ER+)乳がん」とは、女性ホルモンのエストロゲンの刺激によって増殖する乳がんのことです。「ホルモン感受性乳がん」や「ホルモン依存性乳がん」などとも呼ばれます。閉経前のホルモン受容体陽性乳がんは、ノルバデックスの5年間投与が標準治療ですが、リスクによって抗がん薬やLH-RHアゴニスト(作動薬)の併用も可能とされています。併用するべき条件とは何か、そして新たな治療の選択肢について...
2015年11月
悪性リンパ腫にはいろいろな種類がありますが、日本人に多い「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)」に対しては、リツキサンの登場で治療成績が大幅に向上したR-CHOP療法が標準治療となっています。同じB細胞性のリンパ腫である「マントル細胞リンパ腫(MCL)」には、VR-CAP療法という新たな治療法が登場してきました。自家移植の対象とならないマントル細胞リンパ腫に、優れた治療効果を発揮します。...
2015年10月
「将来的にがん免疫療法に適した人、そうでない人の予測ができる時代が来ることが期待されます」と語る北野滋久さん がんの免疫療法というと、「エビデンス(科学的根拠)のない民間療法」と引き気味になってしまう患者さんや医療関係者もいるのではないだろうか。しかし近年、新しい作用機序をもつ免疫療法薬と従来の化学療法薬との比較試験で、免疫療法薬の優位性が証明され、保険適用されるなど様相が変わってきた。最新のがん...
2015年10月
「患者さんには日ごろのスキンケアをしっかり行ってほしいです」と語る植竹宏之さん 相次いで登場している分子標的薬。大きなメリットとして治療効果とともに正常細胞への作用が少ないことによる副作用の軽減があげられるが、分子標的薬ならではの副作用も問題になっている。それは皮疹や手足症候群などの皮膚障害で、中には治療を中断せざるを得ないものまである。その対策は? 皮膚障害が出るほど効果ありとのデータも 皮膚障...