2015年7月
「新規治療薬のこの1~2年の投与実績から、よりよい活用法が見えてきました」と話す水沼信之さん 治癒切除不能の進行・再発大腸がんの治療は、分子標的薬の登場で飛躍的に向上している。それでも3次治療、4次治療の段階になると治療薬がない状態になっていたが、2013年に分子標的薬スチバーガ、14年に抗悪性腫瘍薬ロンサーフが新たに加わって選択肢が増え、最適な治療を続けることができるようになってきた。 相次ぐ分...
2015年7月
「なかなか分子標的薬が登場しなかった胃がん領域において新薬が承認されたことは1つの進歩と言えるでしょう」と語る朴成和さん 手術による切除が困難と判断された進行・再発胃がんの化学療法に、ファーストラインではエルプラット(2015年3月承認)、セカンドラインでは分子標的薬のサイラムザ(同)が加わった。かつて胃がんは抗がん薬が効きにくいがんと言われたが、着実に治療の選択肢が広がりつつある。 入院せずに外...
2015年7月
一般名:ゲムシタビン承認:1999年適応:非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、尿路上皮がん、手術不能または、再発乳がん、化学療法後に増悪した卵巣がん、再発または、難治性の悪性リンパ腫 一般名:シスプラチン承認:1983年適応:睾丸腫瘍、膀胱がん、前立腺がん、腎盂・尿管腫瘍、卵巣がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、食道がん、子宮頸がん、神経芽細胞腫、胃がん、小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫、胆道がん、そのほ...
2015年6月
「患者さんに合わせて、上手に薬剤を使っていくことが大事となってきます」と語る鈴木憲史さん慢性骨髄性白血病(CML)は、近年の分子標的薬の登場で治療法が目覚しく進歩している。昨年(2014年)新たに2次治療、3次治療に有効なボスチニブが加わり、他にも新規薬剤の登場が待たれているが、完全治癒により薬を服用し続けなくてもよい時代の到来も決して夢ではなくなってきた。 画期的だったイマチニブの登場 CMLは...
2015年6月
一般名:ソラフェニブ承認:2008年1月適応:根治切除不能、または転移性の腎細胞がん、切除不能な肝細胞がん、根治切除不能な分化型甲状腺がん手術による切除が、分化型甲状腺がん治療の第一選択です。切除後は補助療法として、放射性ヨウ素治療、甲状腺ホルモン治療が行われます。進行が遅く、切除できれば予後も良好な場合がほとんどですが、中には治療に抵抗する例が少数ながらあります。そのような場合に用いる治療薬が、...
2015年5月
一般名:パクリタキセル承認:1997年10月適応:卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、子宮体がん、再発または遠隔転移を有する頭頸部がん、ほか 一般名:カルボプラチン承認:2006年12月適応:頭頸部がん、肺小細胞がん、睾丸腫瘍、卵巣がん、子宮頸がん、悪性リンパ腫、非小細胞肺がん、ほか 卵巣がんの標準治療は、90年代前半のエンドキサンとシスプラチンの併用療法(CP療法)に代わり、90年代後半に...
2015年4月
一般名:クリゾチニブ承認:2012年3月効能・効果:ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん 一般名:アレクチニブ承認:2014年7月効能・効果:ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん 非小細胞肺がん(NSCLC)の治療は、分子標的薬の登場で大きく進歩しました。ALK阻害薬は、非小細胞肺がんの約5%を占めるALK融合遺伝子をもつ肺がんに対し、高い治療効果を発揮...
2015年4月
「抗PD-1抗体薬は、がん治療におけるブレイクスルーの1つとして、世界中で注目されています」と話す濵西潤三さん プラチナ製剤耐性の再発進行卵巣がんは、難治性で有効な治療選択肢も少ないため、早期の治療法開発が求められている。京都大学医学部附属病院産科婦人科では、「抗PD-1抗体薬」を用いた免疫療法の医師主導第Ⅱ(II)相臨床試験(治験)を実施した。どのような治療法なのか、治験責任医師である濵西潤三さ...
2015年3月
一般名:セツキシマブ承認:2008年7月効能・効果:EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん、頭頸部がん 一般名:パニツムマブ承認:2010年4月効能・効果:KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん 現在、分子標的薬は大腸がん治療の1次治療から使用され、治療上重要な位置を占めています。分子標的薬の1つである、抗EGFR抗体薬について、2014年新しい研究結果の発...
2015年2月
「EGFR陽性の非小細胞肺がんでもEGFR-TKIだけでなく、その効果がなくなれば早めに抗がん薬への切り替えも考えたほうがいい」と話す西尾誠人さんEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療は、分子標的薬であるイレッサやタルセバ、さらにはジオトリフといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)がキードラッグであり、これらの薬剤登場によって大きく変わっ...