学会による統一治療方針が定められた
監修●中山優子 神奈川県立がんセンター放射線治療科部長
重粒子線治療は先進医療の代表格だが、これまでその治療適応は、実施施設によって異なる部分があった。2016年2月、日本放射線腫瘍学会が適応症について統一治療方針を打ち出した。実施状況を明らかにし、有効性・安全性を評価して今後につなげるためだ。先進医療での治療の適応はどのようになっているのだろうか。
肺がん再発予防の臨床研究 全国10施設で「JANP Study」実施
監修●似鳥純一 東京大学医学部附属病院呼吸器外科助教
心不全の治療薬によってがんの転移が未然に防げるようになるかもしれない。肺がん患者を対象に、実証するための臨床研究が国内10施設で始められた。これまでがんを治療する薬はあっても転移を防ぐ薬はなかっただけに、効果が証明されれば、がん治療は大きく変わっていく可能性がある。
先進医療承認で普及促進のステップ
監修●清水 顕 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野臨床准教授
咽頭や喉頭のがんは治療も大切だが、食事や発声、呼吸にもかかわる器官だけに術後の後遺症がなるべく抑えられる治療が求められる。これまでは頸部を切る外切開術と放射線治療が主体だったが、より負担を減らすべくロボット支援手術「ダヴィンチ」の導入が図られ、国も先進医療として承認した。治療の現状を専門医にうかがった。
針生検で焼灼後の組織を採集し、がん細胞の有無を調べて再発防止へ
監修●木下貴之 国立がん研究センター中央病院乳腺外科科長
〝切らない治療法〟として注目を集めたものの、きちんとした適応が定められずに行われ、再発を来してしまうケースがあった乳がんに対するラジオ波熱焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)。こうした事態を受けて、早期乳がんに対するラジオ波熱焼灼療法の臨床試験が開始され、現在は保険収載を目指すべく、先進医療として研究が進められている。現在の進捗状況は?気になる再発率は?専門家に話をうかがった。
高い技術による安全性確保が必要
監修●五十嵐健人 日本医科大学付属病院外科・内分泌外科准教授
甲状腺がんは手術により治ることの多いがんだが、従来の切開術では術後に首の下に大きく傷跡が残り、特に女性にとっては整容面の支障になることが課題だった。一方、内視鏡下甲状腺切除術(VANS法 ※以下「内視鏡下手術」)では、鎖骨の下に短い傷跡が残るだけで、容姿だけでなく食事などの面でも術後のQOL(生活の質)を改善している。先進医療として承認されている「甲状腺悪性腫瘍に対する内視鏡下手術」の現状について、専門医にうかがった。