薬でコントロールできる〝慢性疾患〟の時代へ
監修●東條有伸 東京大学医科学研究所附属病院副病院長/血液腫瘍内科科長
2001年のグリベック登場で、これまでの治療環境が一変した慢性骨髄性白血病(CML)。昨年(2016年)には新たに第3世代の新薬も登場し、治療選択肢はさらに増えている。慢性骨髄性白血病は、〝がん〟というよりも、薬でコントロールして一生付き合う〝慢性疾患〟の時代になってきたと言える。
今後は薬剤の使用順序のエビデンス構築が課題
監修●佐々木 純 順天堂大学医学部血液学講座准教授
2015年の*ポマリストの承認を皮切りに、新薬ラッシュに沸く再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)治療。昨年(2016年)には、*カイプロリス、*エムプリシティと新たに2剤が治療薬として加わり、今後も新たな薬剤が登場する見通しだ。治療選択肢が格段に増えている多発性骨髄腫。これらの薬剤を臨床の現場ではどのように使っていけば良いのか。治療を進めていく上での考え方について、専門家に話をうかがった。
病型ごとに適切な対応が必要 治療が進化しているタイプも
監修●伊豆津宏二 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
悪性リンパ腫という名称は、リンパ球に由来するがんをまとめて指している。リンパ節やそれ以外の様々な臓器に生じ、病型によって治療法も異なる。ここでは日本人に多い病型であるびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、濾(ろ)胞性リンパ腫(FL)、MALTリンパ腫を中心に、最新の治療動向を専門家にうかがった。
血液がんにおける免疫チェックポイント阻害療法
監修●蒔田真一 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
免疫療法が有効であるとみられてきたホジキンリンパ腫で2016年12月、免疫チェックポイント阻害薬オプジーボが承認された。魅力的な薬剤であることは確かだが、その扱いには慎重さが求められる。血液がんにおける免疫チェックポイント阻害療法の現状を専門家に伺った。