長谷川記子の心と体の特効薬

幸福感に包まれる柑橘系の香り


発行:2004年8月
更新:2013年8月

  

はせがわ のりこ
星薬科大学薬学部卒業。
香りや予防医学への興味から、ヨーガ・薬膳・ハーブのアロマテラピーを研究。
薬剤師、アロマテラピスト。著書『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)

アロマオイルが欲しい方、アロマのカウンセリングを受けたい方は、サプリメントスタジオ「Joy Heart(ジョイハート)」にお問い合わせくださ
い。専門薬剤師がアドバイスいたします。「ジョイ ハート」はこころと体の両面からあなたの健康をサポートします。カウンセリングは予約制です。
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イラスト:グレープフルーツ

がんになったことで、あなたの中の何かが変わりましたか。

今、何を感じていますか。

これはとても大切なことです。がんに対する不安があったり、周りの人に心配をかけてしまうことを負担に感じたり、自分を批判したりしている方がいたら、アロマの力を借りて、今の状態をいい方向に持っていきましょう。

グレープフルーツ、レモン、スウィートオレンジなどの柑橘系の香りは、幸福感や心の充実感を引き出す作用があります。カップ1杯の水に柑橘系の精油1~2滴を入れ、ラジエーターなどの加湿器で部屋に香りを漂わせてみてください。さわやかな香りに包まれると、気持ちがリフレッシュしてくるでしょう。

私が受け持った60歳代の前立腺がんの患者さんは、若いころ一生懸命働き、かなりの財産を築かれました。ところが急に仕事がうまくいかなくなり、家族も離れて行ってしまい、その矢先に人間ドッグで前立腺がんが発見されたのです。とても落ち込み、睡眠薬がなければ眠れなくなり、「もう生きていたくない」とまでおっしゃっていました。

医薬品では心の中までケアすることはできませんが、アロマは香りで心を癒してくれます。この方のように、自信を喪失しているとき、いい香りに包まれながら自分の内面を見つめると、自分自身をいたわる気持ちが生まれてきます。とくに柑橘系の香りは、心を癒してくれます。泣きたいときも、柑橘系の香りをかぐと、まるで少年少女のころに戻ったような幸せな気持になり、心が穏やかになってきます。

もう一つ柑橘系の精油で注目されるのは、体液のバランスを整え、脂肪の代謝を促進することです。体重増加で悩んでいる患者さんは、柑橘系の香りを楽しんでみてください。過剰な食事制限をすると体にダメージを与えてしまうので、アロマを取り入れながら無理なくダイエットをされてはいかがでしょうか。

また、自分自身がいやになるときは、自分の体臭に敏感になり、自分の香りがいやになってきます。たとえば妻が「夫の洗濯物は洗いたくない」というときは、夫を嫌いになり始めていることが多いものです。もし、がんの患者さんで自分の香りが気になる方がいたら、ローズマリー、ペパーミント、ユーカリなどの精油を入れたおふろがおすすめです。

38度くらいのぬるめのお湯に、精油を4~6滴入れてゆったりつかると、気持ちが落ち着き、活力が沸いてきます。このほかに、ヒノキやホウショウの精油を使っても同じような効果があります。ヒノキやホウショウには、アルファピネンという森林揮発性物質が含まれており、リンパ球の生産を促進し、免疫機能を高める作用もあります。豊かな香りで、あなた自身をいとおしんであげましょう。

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