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がん患者を対象とした臨床試験で証明された、米ぬか多糖体(RBS)の免疫賦活作用

監修●川上智史 北里大学大学院医療系研究科博士過程修了
取材・文●七宮 充
(2017年6月)

医学博士の川上智史さん

古くから日本人の食と健康を支えてきた米。その米ぬかから抽出した免疫調整、賦活成分(米ぬか多糖体:Rice Bran polySaccharides)が注目されている。この米ぬか多糖体(RBS)を定期的に摂取すると、ナチュラル・キラー(NK細胞)や他の免疫細胞が活性化される。がん患者を対象とした臨床試験でも、コントロールに比べ、NK細胞の活性が有意に上昇することが確かめられているという。

世界54か国で使用され、国際的にも関心を集めている米ぬか多糖体(RBS)のプロフィールと有用性について、医学博士・川上智史さん(北里大学大学院医療系研究科博士過程修了)に話をうかがった。

がん予防の主役はNK細胞

人間の身体は、新陳代謝を繰り返しており、60兆個といわれる細胞は1~2年で別の細胞に入れ替わる。しかし、細胞分裂する際に、エラーが起こることもある。このエラーによって発生するのががん細胞だ。

「細胞分裂のエラーで、体内では日々多くのがん細胞が発生しています。しかし、そのほとんどはがんへと成長することはありません。これは、外敵(非自己)を排除する免疫システムが働き、がん細胞を絶えず破壊しているためです」

こうした免疫システムの中で、中心となっているのが白血球のひとつリンパ球である。リンパ球はさらにNK細胞、T細胞、B細胞に分かれるが、なかでも主役はNK細胞だ。がん細胞やウイルスに感染した細胞を、非自己と認識して強力に叩く。このため、NK細胞の活性が高い人ほどがんになりにくいといわれる。

しかし残念ながら、がん予防の防波堤である免疫力は、加齢とともに減少することが知られている。また、生活習慣の乱れやストレスなどによっても免疫力は低下する。そしてその結果、がんや生活習慣病のリスクが高まる可能性がある。

では、免疫力をアップするには、どうすればいいのか。

「基本はバランスの良い食事や運動などによって、体力を維持すること。そしてそれをサポートする免疫を強化する成分を摂ることも有用です。米ぬか多糖体(RBS)は、臨床試験でNK細胞及び他の免疫細胞の活性化、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用が実証されています」

シイタケ菌が突破口に

米ぬかは、玄米を精白するときに出る種皮や胚芽で、その一部の多糖体(ヘミセルロースB)を取り出し、特別な方法で人の身体に吸収されやすくしたものが米ぬか多糖体(RBS)だ。

米ぬか多糖体(RBS)の開発は20年以上も前にさかのぼる。当時すでに、食物繊維が腸内環境の改善と免疫力の向上に有用なことは知れていた。そうした知見をベースに、米ぬかからヘミセルロースBを抽出し、免疫賦活作用を確かめる実験を繰り返した。

そこでさらに検討を重ね、たどり着いたのが、キノコ(シイタケ菌)が出す酵素を利用するというアイデアだ。これによって、ヘミセルロースBを細かく分解することが可能になり、生体にスムーズに取り込まれるようになり、免疫力をより確実に高める効果が立証された。

この研究により米ぬか多糖体(RBS)は、シイタケ菌を用いる製法技術としては、日本をはじめ米国、イギリス、フランス、韓国など世界9か国で特許を取得した。さらにこれまで57報の学術論文報告と130回以上の学会発表の実績を有している。

NK細胞活性が上昇

米ぬか多糖体(RBS)の免疫賦活作用は、がん患者を対象とした臨床試験で証明されている。

対象としたのは、前立腺がん、乳がん、多発性骨髄腫、白血病などがん患者32人。米ぬか多糖体(RBS)を1~2週間摂取してもらい、摂取前後のNK細胞活性を測定した。

その結果、摂取後のNK細胞は前立腺がん患者で約4倍、乳がん患者で約3倍、多発性骨髄腫患者で約4倍、白血病患者で約10倍と、いずれも有意に上昇していた(図1)。

図1 米ぬか多糖体(RBS)によるNK細胞の活性化(がん患者32人)

がん細胞の成長抑制

腫瘍細胞(EAC)をラットに接種し、8日目から35日まで、その大きさを継続的に測定したところ、米ぬか多糖体(RBS)を投与した群では、コントロール群に比べ、がん細胞の増殖が遅くなり、17日目からは、その大きさに有意差が認められた(図2)。

「がん細胞は非常に早いスピードで分裂し、増殖することで生体に悪影響を及ぼします。しかし、これら一連の研究から、米ぬか多糖体(RBS)は、NK細胞の活性を高め、腫瘍の増殖を抑制し、広がりを防いでいることが示唆されます」

図2 ラットにおけるがんの増殖抑制効果

放射線治療の副作用軽減

放射線治療を受ける子宮頸がんの患者20人を2群にわけ、一方は治療開始前から終了まで米ぬか多糖体(RBS)を摂取し、他方は摂取せず治療を受けた。その結果、米ぬか多糖体(RBS)の摂取により、主な副作用である下痢症状の改善傾向が観察されている(図3)。

図3 米ぬか多糖体(RBS)による放射線治療の副作用軽減(子宮頸がん患者20人)

QOLの改善効果

がんの治療では、QOL(生活の質)の低下も大きな問題となる。QOLが低下すると、気持ちが落ち込み、治療効果にも悪影響を及ぼすことがあるからだ。

米ぬか多糖体(RBS)は、こうしたQOLの改善にも寄与することが報告されている。肺がん、肝がん、子宮がん、乳がんなど進行がん患者205人の被験者を対象に、通常治療に米ぬか多糖体(RBS)の摂取を加え、前後のQOLを比較した。18カ月にわたる観察の結果、米ぬか多糖体(RBS)の摂取前に比べ、摂取後は、痛み、疲労感、吐き気が減少し、食欲が増した。とりわけ、食欲の増加は顕著だったという(図4)。

「食欲の増進はQOLの改善にとても有効です。治療に前向きに取り組もうとする患者さんの気持ちを鼓舞してくれることが期待できます」

図4 米ぬか多糖体(RBS)によるQOL改善効果(がん患者205人)

長く飲み続けることで免疫力がアップ

では具体的に、米ぬか多糖体(RBS)をどう活用するのが望ましいのだろう。ポイントは、毎日定期的に服用し継続することだ。健康な人を対象とした試験でも、継続して飲んでいると2カ月後にはNK細胞の活性が6倍に上昇し、免疫力がアップすることが報告されている。

一方、副作用だが、まれに下痢などが起こることがあるものの、これまでの使用歴の中で、重い有害事象が報告されたことはない。ただし、自己免疫疾患など特殊な状況を抱えている場合は、少量から摂取し、様子をみながら必要量を調整していくなどの対策が必要だという。

米ぬか多糖体(RBS)には、国内外の多くの大学、病院との共同研究によってエビデンスが蓄積している。現在も定期的に開催される国際会議にて世界中の学者や医師などが集まり活発な議論を交わしている。今後さらなる研究に期待がもてる。「米ぬか多糖体(RBS)は安全性も確認されています。免疫力の強化・維持のため広く活躍してほしいと思います」と川上さんは言う。

 

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