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腎機能低下を防ぎ、薬物療法の効果を向上させる

監修●堀江重郎 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授

『がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016』が今年6月に刊行された。現在様々な抗がん薬が登場し、臨床の現場では使われているが、今まで薬物療法時の腎障害に対する診療ガイドラインはなかったという。本邦初となるがん薬物療法時の腎障害ガイドライン。その内容をひも解く。

チーム医療での薬剤師の役割高まる

監修●山口正和 国立がん研究センター東病院薬剤部長

がん化学療法は副作用を伴うので入院で……という時代から、今は外来(通院)治療に大きくシフトしている。在宅で生活できるというQOL(生活の質)の面でのメリットは大きいが、一方で副作用への対応が課題となる。これまでは医師や看護師が患者との窓口になることが多かったが、薬剤師の役割が注目されている。

副作用対応も個別化の時代へ

監修●鈴木賢一 がん研有明病院薬剤部副薬剤部長

抗がん薬治療による副作用の代表格と位置付けられてきたのが、悪心・嘔吐。日本癌治療学会が「制吐薬適正使用ガイドライン」を作成したのは2010年で、15年には第2版が出されるなど重要視されている分野だ。さらに、薬剤師の視点から独自に治療薬の効果を確かめる臨床試験を行う動きもある。

メスを使わずに、身体に負担の少ない方法で患者のQOLアップ

監修●小関 淳 女性医療クリニック・LUNAグループ乳腺外科医師

米国では医療補助技術として確立されている「パラメディカルピグメンテーション」。皮膚に色素を注入し、治療によってダメージを受けた部分を再現する方法で、「ボディタトゥ(入れ墨)」より身体への負担が少なく、乳房再建後の乳頭乳輪をはじめ、抗がん薬の副作用で脱毛した眉毛の再現など広く応用されている。日本でも、この技術を習得した医師や看護師によって広まりつつあり、乳がん術後や抗がん薬治療中の患者への朗報となりそうだ。

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