監修●橋口陽二郎 帝京大学医学部外科学講座教授/医学部附属病院IBDセンター長
わが国で増え続けている大腸がん。国立がん研究センターのがん登録、統計による2019年の罹患数予測は、がん種全体で1位、男女別では男性1位、女性2位。死亡数予測では、全体で2位、男性で3位、女性で1位だ。
その大腸がんの治療の指針となる「大腸癌治療ガイドライン」の2019年版は全面改訂され、さまざまな点でバージョンアップされた。同ガイドライン作成委員長である帝京大学医学部外科学講座教授の橋口陽二郎さんに、大きく改訂された点を中心に解説してもらった。
監修●鴨川郁子 がん研有明病院看護部副師長/がん看護専門看護師
大腸がん手術、術後の抗がん薬治療には、合併症や副作用が伴う。とくに抗がん薬治療は通院で行い、期間も数カ月に及ぶため、副作用との付き合いも長く続くことになる。日々患者に寄り添うがん看護専門看護師の視点から、術後の合併症と抗がん薬治療の副作用にどう向き合えば良いかを、がん研有明病院看護部副師長の鴨川郁子さんに伺った。
監修●佐藤信紘 順天堂大学名誉教授・特任教授
がんになりにくい食習慣としては食物繊維をとる、赤身の肉を減らす、節酒をするなどが薦められている。これらは大腸がん治療後にも重要と考えられている。また最近では、腸内の善玉菌を減らさないことや、腸内でも悪玉菌として働く歯周病菌も、がんの進行に関わっていると考えられている。さらに、善玉菌の代表であるビフィズス菌はみずからB1、B2などのビタミン類を生成し、主に乳酸と酢酸や酪酸を作ることにより、様々な病気予防に役立っている。つまり、腸内フローラをいい状態に保つことは、大腸がんの再発予防に役立つと考えられる。その詳細は?