前立腺がんの基礎知識 1人ひとりに合った治療法を!
監修●赤倉功一郎 東京厚生年金病院泌尿器科部長
取材・文●半沢裕子
高齢化社会とともに前立腺がんが急増している。2012年の予測では、2020年ごろには、胃がんを抜いて、男性がん罹患者数のトップになるとされている。ここでは前立腺がんの基礎知識について、わかりやすく解説する。
診療ガイドラインの解説 リスクの高いがんを選んで治療し、リスクの低いがんに不要な治療をしないことが重要
監修●荒井陽一 東北大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野教授
取材・文●祢津加奈子 医療ジャーナリスト
2012年、前立腺の診療ガイドラインが6年ぶりに改訂された。新たなデータや治療法が導入され、前立腺がんの治療は考え方も含めて大きく変化している。ここでは、ガイドラインに沿った治療法をわかりやすく解説する。
最新ホルモン療法 Gn-RHアンタゴニストの新登場でホルモン療法はどう変わっていくか?
監修●市川智彦 千葉大学医学部附属病院副病院長/同大学大学院医学研究院泌尿器科学教授
取材・文●町口 充
前立腺はホルモンと関係が深いだけに、ホルモン療法は、転移のある場合や、高齢で手術ができないという患者さんに対しても有効な治療法。昨年には新たなホルモン薬も登場しており、患者さんにとっては大きな武器が1つ増えたことになりました。
放射線・ホルモン併用療法 副作用も少ないが、なぜ併用したほうがよいかはまだ謎
監修●栃木達夫 宮城県立がんセンター医療部長/泌尿器科診療科長
取材・文●祢津加奈子 医療ジャーナリスト
前立腺がんは、放射線療法やホルモン療法がよく効く。しかし、この2つの治療を併用したほうがもっと効果が高まることが明らかになってきた。その併用療法の最新成果を報告する。
前立腺がんの骨転移治療 骨転移には早期発見・早期治療が大切
監修●佐藤威文 北里大学医学部泌尿器科講師
取材・文●七宮 充
がんの進行とともに起こる骨転移。とくに、前立腺がんは骨転移しやすいのが特徴です。骨転移による痛みや骨折は、患者さんの生活の質を低下させるだけでなく、余命にも影響を及ぼします。この骨転移について今、"bone health"という新しいコンセプトに基づいた治療戦略が注目されています。
治療法別QOL 迷える患者さんに、効果とQOLの観点から選び方を伝授
監修●篠原信雄 北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科准教授
取材●「がんサポート」編集部
多岐にわたる前立腺がんの治療法。大きく分けても、手術、放射線、ホルモン療法、化学療法とあり、おまけにあまり聞き慣れないPSA監視療法というのまである。その中からどれを選んだらよいのか。効果とQOLの2つの観点から選び方を教えていただく。
排尿障害 骨盤底筋体操や失禁バンドなど、患者さん自身でできる対処法も
監修●篠原 充 都立駒込病院泌尿器科部長
取材・文●池内加寿子
前立腺がんの影響や治療によって起こりやすい排尿障害。尿に関するトラブルは毎日のことだけに、悩んでいる患者さんにとっては深刻な問題だ。排尿障害が起こった場合、どのように対処すればいいのだろうか。原因や症状に応じた対策を紹介する。