CML治療に新作用機序の「セムブリックス」がもたらす臨床上の価値 ~適正使用のために~ ――ノバルティスファーマ株式会社より

[2022.05.01] 取材・文●「がんサポート」編集部

2022年4月19日、CML治療に新作用機序の「セムブリックス」がもたらす臨床上の価値~適正使用のために~と題したノバルティスファーマ株式会社のセミナーがハイブリッドで開催された。

国立がん研究センター東病院血液腫瘍科長の南陽介さんより、既存のCML治療薬で効果が得られない(抵抗性)、または副作用や合併症により治療継続が難しい(不耐容)患者さんへ、期待の新薬「セムブリックス」の特性などについてのセミナーがあった。

CMLの病期は、慢性期⇒移行期⇒急性期の3つ

国立がん研究センター東病院血液腫瘍科長の南陽介さんは、冒頭、かつてCML(慢性骨髄性白血病)は長期生存の難しい疾患であったが、2001年、CMLの治療薬としてグリベック(一般名イマチニブ)という分子標的薬が登場して以来、治療成績も大幅に向上し、通院でコントロール可能になった。現在では、生存率も高くなり、治療継続しながらQOLの高い生活をしている患者さんも多いとのこと。

CMLは、何らかの原因によりがん化した血液細胞(白血病細胞)が骨髄の中で増殖していく疾患である。CMLの病期は、慢性期、移行期、急性期と3つに分類。それぞれ病期の症状については、慢性期(5~6年)は目立つ症状はなく、移行期(3~9カ月)に入ると、発熱、体重減少、骨痛などの症状が出てくる。急性期(3~6カ月)になると、貧血、高熱、出血傾向の症状が出現してくるという。

STAMP阻害作用が、抵抗性や不耐容のCML患者さんへ期待の効果

南さんは、2000年代に登場したCMLの治療薬、分子標的薬(ATP競合型TKI)は、CMLの原因であるBCR-ABLチロシンキナーゼに選択的に結合し、白血病細胞を減少させる作用があり、すでに20年以上使用されているATP競合型TKIは、CML患者さんの予後改善に多大な貢献をしてきたという。

しかし、一方で、ATP競合型TKIで治療効果が得られない(抵抗性)や副作用、合併症により治療継続の難しい(不耐容)の患者さんへの対応が課題だったという。

既存のCML治療薬が、ABLのATP結合部位に結合するのに対し、新薬セムブリックス(一般名アシミニブ塩酸塩)は、アロステリック部位のミリストイルポケットに結合するという(図)。これをSTAMP阻害作用という。

図 STAMP阻害作用

南さんは、「セムブリックス」の特性について、日本で初めてのSTAMP阻害作用を有したCML治療薬とし、既存の治療薬に抵抗性、不耐容を示す患者さんに効果が期待できるとのこと。さらに安全性の面においても、STAMP阻害作用により、ABLキナーゼを選択的に阻害するため、治療継続を妨げる要因となるオフターゲット効果の回避の可能性および安全性や忍容性が期待されると結んだ。

STAMP:Specifically Targeting the Myristoyl Poket(ミリストイルポケットに特異的に結合)

オフターゲット効果:分子標的薬などで本来の標的(on-target)とは異なる別の分子(off-target)を阻害あるいは活性化してしまう効果で、 通常は好ましくない副作用の原因となることもある

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