長谷川記子の心と体の特効薬
家族は変わらぬ接し方で見守って
はせがわ のりこ
星薬科大学薬学部卒業。
香りや予防医学への興味から、ヨーガ・薬膳・ハーブのアロマテラピーを研究。
薬剤師、アロマテラピスト。著書『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)
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い。専門薬剤師がアドバイスいたします。「ジョイ ハート」はこころと体の両面からあなたの健康をサポートします。カウンセリングは予約制です。
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がん患者さんと、その家族の関わり方にはいろいろあるものです。私が印象に残っている2組のご夫婦は、とても対照的でした。一方は夫ががんになった妻をとても大切にするケース。もう一方は、夫が妻への愛情を態度や言葉で現わさないケースです。
初めのご夫婦は、アロマトリートメントを受けに、お2人で来ました。夫が妻のために日傘をさし、妻が何をするときも手を貸してあげます。聞いてみると、妻の食事も夫が用意していると言います。幸せなご夫婦だと思いますが、至れり尽くせりで、かえって妻が息苦しくなってしまうのではないかと、少し気になりました。
もう一方のご夫婦は、妻が一人で来ました。がんの手術を終えたあと、どう過ごしたらいいかを夫に相談したところ「君の人生だから君が考えればいい」と言われたそうです。彼女はこの言葉にとてもショックを受け、私がトリートメントをしている最中に「主人は私を愛していないんです」と突然泣き出しました。でもよく話を聞いてみると、ご主人は彼女の旅行のための費用を出してくれたり、妻を大切に思っている様子がうかがわれたので、私は彼女に「ご主人はうまく言葉にできないだけではないですか」と言いました。
その後、彼女は徐々に落ち着きを取り戻し、何回かトリートメントに通われるうちに、「今度は○○をしたいと思っているのよ」と前向きになっていきました。
家族はがんになった方に、何かしてあげたいと思われるでしょう。でもがんになる前と後で態度が変わると、本人はかえって窮屈だと感じたり、なかには「もしかしたら病気のことで何か私に隠していないかしら」などと疑ってしまう方もいます。ご家族が心配する気持ちはわかりますが、「何かしてほしいことがあったら言ってね」ぐらいで、いつもと変わらない態度で接するほうがいいように思います。
体調がよいがん患者さんであれば、休んでばかりいるより適度に運動をすることをおすすめします。一番簡単にできるのはストレッチです。例えば、息を吐きながら足の親指に手がつくように、ゆっくり体を曲げてみましょう。背筋力が高まり、老化防止にもなります。
むくみがある場合は、足の裏の土踏まずあたりから、心臓に向かって足全体をやさしくトリートメントしてください。精油はジュニパー、サイプレス、サンダルウッドなどを使うと効果的です。ジュニパーとサイプレスはどちらもひのき科の植物です。これらのオイルは体内の余分な水分を排出する利尿作用と、身体の老廃物を体外に出す働きがあります(ただしジュニパーは、腎臓が弱っている方は控えたほうがいいかもしれません)。植物のパワーで体を浄化し、気分もリフレッシュさせましょう。