長谷川記子の心と体の特効薬

腸にやさしく働きかけるアロマ


発行:2004年11月
更新:2013年8月

  

はせがわ のりこ
星薬科大学薬学部卒業。
香りや予防医学への興味から、ヨーガ・薬膳・ハーブのアロマテラピーを研究。
薬剤師、アロマテラピスト。著書『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)

アロマオイルが欲しい方、アロマのカウンセリングを受けたい方は、サプリメントスタジオ「Joy Heart(ジョイハート)」にお問い合わせくださ
い。専門薬剤師がアドバイスいたします。「ジョイ ハート」はこころと体の両面からあなたの健康をサポートします。カウンセリングは予約制です。
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イラスト:腸にやさしく働きかけるトリートメントオイルのつくり方

大腸がんの術後の食事は、一度にたくさん食べず、ゆっくりよく噛んで食べることが大切だといわれています。ところが大腸がんの手術後、食物繊維の多いものを食べすぎたらしく、腸閉塞になり再度入院してしまった50代の男性の方がいました。

奥様に話を聞くと、ご主人は食事をとると便秘で苦しくなるのではないか、腸閉塞を繰り返すのではないかと不安がっているといいます。がんの手術を終えたばかりなのに、また入院する事態になったのですから無理もないでしょう。奥様はとても心配され、薬に頼らずスムーズに便を出し、不安な気持ちをなだめてあげる方法はないかと、私にアドバイスを求めてきました。

こんな不安定なときこそ、アロマの出番です。私はこの奥様にアロマトリートメントの方法をお伝えしました。

まず、マジョラム4滴、ラベンダー2滴、これにスウィートアーモンドオイルを30cc混ぜ合わせてトリートメントオイルを作ります。

マジョラムは古代ローマやギリシャで解毒や痙攣を鎮める治療に使われていた精油です。副交感神経を強壮し、緊張や胃腸の痙攣を鎮める作用があります。しそ科の植物で、甘くスパイシーな香りが特徴です。一方ラベンダーの香りは脳波をアルファ波に変え、心身ともにリラックスさせ、イライラを鎮める効果があります。

この2つを合わせた精油で、おなかを時計回りにマッサージしてあげます。そのあとご主人に背中側を向けてもらい、尾骨と仙骨の辺りをやさしくマッサージして、神経の緊張をほぐしてあげます。

そして最後に、かかとにオイルをよく擦り込んでやわらかくしてあげます。この療法はリフレクソロジー(反射療法)といって、手足の各部分が全身の各臓器と条件反射するようにつながっているという考え方からきています。かかとをトリートメントすることで、腸の細胞を生き生きとさせ、自然治癒力を高める効果が期待できます。

マジョラム同様フェンネルにも解毒や痙攣を鎮める作用があります。マジョラム4滴、フェンネル2滴、スウィートアーモンドオイル30ccを混ぜ合わせた精油も、胃腸を整えるのにおすすめです。

早速奥様がご主人にトリートメントをしてあげると、ご主人はとても気に入り、何度もトリートメントをして欲しいと奥様に頼まれたそうです。ご主人の便秘も不安も解消され、久しぶりに笑顔が戻ってきました。うれしくなった奥様は、ご主人の主治医に「薬もいいけれどアロマも効くのよ」と言ってペパーミントの精油をプレゼントされたとか。

奥様の温かな手のぬくもりは、ご主人にとって最高の「癒し薬」となったのです。

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