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手術で治癒が目指せる腎がん。新薬も続々 腎がんの基礎知識 腎がんの病気と治療を確認しよう

監修●近藤恒徳 東京女子医科大学泌尿器科講師
取材・文●柄川昭彦
発行:2014年1月
更新:2019年9月

  

東京女子医科大学泌尿器科講師の近藤恒徳さん

腎がんは、症状が現れにくく、発見されたときには進行している場合も多かったが、検診の普及と進歩によって、早期に発見されるケースが増えている。ここ20年ほどで、患者数は3倍に増えたが、その7割が症状のない段階で見つかるようになった。早期に見つかれば、手術ができて予後もよい。病気と治療の全体像をおさらいしよう。

Q1 腎がんはどのようながんですか?

腎臓は血液を濾過して尿を作り出しています。腎臓の尿を作る部分を「腎実質」、できた尿を集める部分を「腎盂」といいます。

腎臓にできる腫瘍には、腎実質にできる「腎細胞がん」、腎盂にできる「腎盂がん」、「良性腫瘍」の3つがあります。この中で最も多いのが腎細胞がんで、全体の約80%を占めています。

腎盂がんは、腎臓の腫瘍の約10%を占めています。腎盂、尿管、膀胱は粘膜がつながっており、腎盂がんは尿管がんや膀胱がんと同じ種類のがんです。腎細胞がんとは、治療法もまったく違っています。

この特集の「腎がん」は、腎細胞がんを指しています。発症は10万人あたり15人という、他のがんに比べて症例の少ないがんで、増殖速度は遅くゆっくり大きくなります。

Q2 腎がんはどのようにして見つかりますか?

かつては症状が現れて発見されるケースが多かったのですが、最近は、症状のない段階で発見される患者さんが7~8割を占めています。「血尿」「腹痛」「腹部腫瘤」が3大症状とされますが、患者さんの多くは経験することがありません。健康診断や人間ドックで超音波検査やCT検査を受け、たまたま見つかるケースが増えているのです。

症状がない段階で見つかった場合、大部分はステージⅠです。ところが、症状が現れてから見つかるケースでは、進行したがんの割合が多くなります。

10年生存率は、症状なしだと92%、症状ありだと55%です。症状のない段階で発見することが、いかに重要かがわかります。

Q3 腎がんのステージは?

ステージⅠ……7㎝未満で、腎臓を包む膜内にとどまっています。

ステージⅡ……7㎝以上で、腎臓を包む膜内にとどまっています。

ステージⅢ……腎臓の膜を越えて周囲に広がったり、腎静脈に入り込んでいたりします。あるいはわずかなリンパ節転移があります。

ステージⅣ……他の臓器に浸潤したり、転移したりしています。

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