網膜芽細胞腫で右目を摘出。義眼のケアは?
4歳の息子のことで相談です。1年前に、息子は網膜芽細胞腫を患いました。右目を摘出し、いまは義眼を付けています。義眼を付けていると、目やにがすごく流れ出ます。とくに冬場で乾燥しているときなどは、目やにのせいで、眼がパキパキになってしまいとてもつらそうです。医師からは、軟膏、目薬(タリビッド点眼液*)、抗生剤を処方されているのですが、具体的な投薬指導がなく、あまり効果がないように感じています。何か家庭でもできるケアがあればお教えください。
(岐阜県 女性 36歳)
A シャワーや水で洗浄し、清潔に保つ
義眼の裏側は、どうしても汚れが溜まりますので、ケアとして、義眼の入る空間である結膜嚢(結膜で作られる大きなくぼみ)を、毎日シャワーや水で洗浄し、清潔に保つ必要があります。
また、義眼自体も、表面に固着した目やになどをシャワーや水できれいに洗浄して、表面の状態を滑らかにしていくことを心がけましょう。
そして、水をはじくプラスチック製の義眼は、常に空気に触れているため、冬場などは表面がどうしても乾燥してしまいます。そのため、軟膏を、義眼や結膜嚢に直接塗り、表面に脂肪の膜を作ることで乾燥を防ぐこともできます。
それでも、目やにがとくに多い場合は、結膜炎の可能性がありますので、眼科を受診して、原因を調べて下さい。目やにの原因が結膜炎の場合は、抗生物質を点眼して治療する必要があります。抗生物質を使う前に、よく目を洗ってしっかりと目やにを流してください。
同じ抗生物質を使い続けていると、その抗生物質に対する耐性菌ができてしまい、抗生物質が効かなくなってしまうことがあります。細菌の抗生物質に対する感受性を検査して、細菌に効果的な薬を選択してください。
点眼ですが、あくまで眼の細菌を殺すために使用してください。また、軟膏に、抗生物質が入っているものもあります。
*タリビッド点眼液=一般名オフロキサシン点眼液