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2015_oct_i

期待されるこれからのがん免疫療法

監修●北野滋久 国立がん研究センター中央病院先端医療科

がんの免疫療法というと、「エビデンス(科学的根拠)のない民間療法」と引き気味になってしまう患者さんや医療関係者もいるのではないだろうか。しかし近年、新しい作用機序をもつ免疫療法薬と従来の化学療法薬との比較試験で、免疫療法薬の優位性が証明され、保険適用されるなど様相が変わってきた。最新のがん免疫療法である「免疫チェックポイント阻害薬」とはどのようなものか、専門家に伺った。

がん治療中は歯科医のサポートが重要

監修●上野尚雄 国立がん研究センター中央病院歯科医長

化学療法中には副作用で口腔内が乾燥して話しにくくなったり、口腔粘膜がただれて食事がしづらくなることがある。そのため最近では、化学療法を始める前から歯科と協力して口腔ケアを行うことで口腔内のトラブルを予防しようという取り組みが始まっている。また、がん専門病院と全国の開業歯科医との連携も進んでいる。

予防的ケアで皮膚障害を防げるという臨床試験結果も

監修●植竹宏之 東京医科歯科大学大学院総合外科学分野教授

相次いで登場している分子標的薬。大きなメリットとして治療効果とともに正常細胞への作用が少ないことによる副作用の軽減があげられるが、分子標的薬ならではの副作用も問題になっている。それは皮疹や手足症候群などの皮膚障害で、中には治療を中断せざるを得ないものまである。その対策は?

空咳、息切れ、発熱が出たらすぐに相談を

監修●弦間昭彦 日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野主任教授

抗がん薬の投与を受け、肺に障害が起こるケースがある。消化器・消化管や皮膚に比べると発生頻度は低いものの、問題は使用する薬剤によって、命にかかわることがあり得ることだ。早期発見や治療の注意点をレポートする。

必要に応じて抗ウイルス薬の予防投与を

監修●池田公史 国立がん研究センター東病院肝胆膵内科科長

抗がん薬治療をきっかけに、肝臓に潜んでいたB型肝炎ウイルスが再活性化してくることがある。適切な治療が行われず、劇症化し、患者さんの中にはがんの治療はうまくいったものの、B型肝炎の再活性化で命を落としたというケースも実際には起きているという。

適切な症例選択で開腹手術と遜色のない治療が

監修●本田五郎 がん・感染症センター都立駒込病院肝胆膵外科医長

胃がんや大腸がんに比べ、普及が遅れている肝胆膵領域の腹腔鏡下手術。腹腔鏡下手術用に開発された新しい手術器具が登場したことで、手術に要する時間は開腹手術に比べて長くなるものの、適切な症例を選ぶことで、安全性や根治性において、開腹手術と遜色ない結果を残せるようになっている。肝胆膵がんにおける腹腔鏡下手術の現状について、専門家に伺った。

手術は肝がん、化学療法は胆管がんの考え方で

監修●齋浦明夫 がん研有明病院消化器外科肝胆膵外科部長

肝内胆管がんは、肝臓原発のがんの中で肝細胞がんに次いで2番目に多く、肝がん全体の約10%を占める。近年増えつつあるがんだが、手術ができない場合の予後は極めて悪いと言われている。肝内胆管がんの特徴や症状、手術や化学療法などの治療法について専門医に伺った。

切除後は再発もなく過ごせる例も

監修●加藤 厚 千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学講師

胆道がんは早期発見が難しいため、手術ができない進行がんの状態で見つかる場合が多い。それでも、化学療法でがんを小さくすれば外科切除が可能になるのではと、「術前化学療法」の臨床研究が行われており、その有効性が明らかになってきた。手術ができた結果、生存率が改善したという報告もある。切除不能と診断されても諦めなくていい時代の到来はいつなのか。

GSL療法という新たな治療法も臨床試験中

監修●伊佐山浩通 東京大学大学院医学系研究科消化器内科学准教授

ここのところ立て続けに新たな治療薬が登場し、治療選択肢が増えた切除不能の膵がん。一昨年(2013年)にFOLFIRINOX、昨年(2014年)にアブラキサンが保険適用されたことで、切除不能膵がんは次の治療ステージに入った。
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