監修●和久本芳彰 順天堂大学医学部泌尿器科学准教授
進行が極めてゆっくり、かつ、1個のがんの周りに目には見えない小さながん細胞が点在して発生するのが、前立腺がん。この2つの特性を知った上で、年齢を考慮し、自身にとって最も適した治療法を選びたい。そのとき、フォーカルセラピー(部分治療)は選択肢の1つになるかもしれない。
監修●杉元幹史 香川大学医学部泌尿器科学教授
積極的治療が必要になるまで経過観察を行う「監視療法」は、進行が比較的緩やかな前立腺がんならではの治療法だ。しかし、そうは言っても、体内にがんがあるのに放置しておいても大丈夫? ――当事者(患者)ならだれもが思う疑問だろう。
この早期前立腺がんに対する監視療法については、2006年からオランダのエラスムス大学医学部を中心にした国際多施設共同前向き試験「PRIAS(Prostate cancer Research International:Active Surveillance)」が開始され、日本でも2010年から「PRIAS-JAPAN」として継続中だ。今回は、日本の主要大学病院・基幹病院の代表として参加している香川大学医学部泌尿器科教授の杉元幹史さんに話を伺った。
監修●堀江重郎 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授/医学部泌尿器科学講座教授
日本において近年急増し、2015年、2016年の国立がん研究センターのがん統計において男性の罹患率第1位に躍り出た前立腺がん。その一方、進行が緩やかで死亡率の低いがんとしても知られている。そんな前立腺がんは食事を中心とした生活改善で発症を予防できるだけでなく、前立腺がんになってしまっても再発や転移を抑えられる可能性が高いという。
では、どんなものを食べればいいのか、どんなものは食べないほうがいいのか。前立腺がん予防に早くから取り組んできた順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授の堀江重郎さんに聞いた。
監修●村上昌雄 南東北がん陽子線治療センター センター長
2018年4月、陽子線治療で新たに前立腺がんに対する治療が保険適用となった。2008年から陽子線治療に着手し、さまざまながん種で数多くの症例に対して治療を行ってきた民間初のがん陽子線治療施設、南東北がん陽子線治療センター(福島県郡山市)。そのセンター長に2017年就任し、兵庫県立粒子線医療センター(たつの市)在職時から、数々の症例に対する陽子線治療に従事してきた村上昌雄さんに、陽子線治療のメリット、今後の陽子線治療についてお話を伺った。