ASCO2013 免疫療法の領域でも、新しい知見報告が
がん治療の〝主流”分子標的薬の報告が次々と
世界中からがん領域の専門家が集まって、最新の治療成果が発表されるASCO(米国臨床腫瘍学会)。2013年は「がん克服へのブリッジの構築」をテーマに、さまざまな最新トピックスが発表された。
http://www.cancer.net/cancer-news-and-meetings/asco-annual-meetings
基礎・臨床の両面から研究進展を追求
ASCO2013(会長・Sandra M. Swain/ジョージタウン大学教授)が5月31日~6月4日にシカゴで開催された。同会長(女性)が掲げた今年のテーマは 〝Building Bridges to Conquer Cancer〟(がん克服へのブリッジの構築)。
このテーマには、がん克服のために基礎・臨床の両面からの研究進展を追求するとともに、近年、がん研究・治療領域での進出がめざましい女性オンコロジストの指導者としての自覚を促すねらいも含まれている。
年次集会では、がん治療の主流となりつつある分子標的薬の治療抵抗性の機序解明・対策、同薬あるいは化学療法薬との併用療法、新薬の開発状況(臨床試験)などが報告された。
また、がんの第4の治療法と呼ばれる免疫(細胞)療法の領域でも、併用療法の臨床試験の結果や、新薬の開発状況など新しい知見が報告された。
患者ケアに関しては、「絶望」「死への接近」の意味合いでとらえられがちな緩和ケア(palliative care)を、すべてのステージのがん患者の治療の中に融合させることにより多くの有益な成果が得られることなどが論議された。
ASCOでは、腫瘍医だけではなく、患者・家族向けに下記ウェブサイトで同集会の情報(英語)を提供している。
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