患者さんの家族も楽しくサポートしたい
患者さんや家族の気持ちが、少しでも楽になるように「まる」と名付ける
主婦で、仕事をしながら子育てしている相田なおこさんは、がんと告知されてから、怒濤の日々が始まりました。いまは健康を取り戻した相田さん。自分のがん体験から、楽しいことは免疫力を高めると実感し、患者さんやその家族を楽しくサポートしたいと、患者会を作りました。
電話:080-5907-5126(8:00~14:00 日曜日除く)
ホームページ:marunettoo.blog.fc2.com/
メール:marunettoo@yahoo.co.jp
がんになって、初めて気づくことばかり
友人から携帯メールに送られて慰められた写真
ある日、がんという病気になりました。それは突然でしたが、周りにがん患者さんがいたので、がん種は違ってもなんとなく知っている病気のように感じていました。
しかし、実際に自分が体験してみると、初めて味わう気持ちや生活のこと、初めて知る治療の知識やその体感。まさに「なってみなければわからない」の連続です。
私は確定診断の後、すぐに歩くこともままならなくなり、ほとんど準備もないままに入院、治療を終えたのは8カ月後でした。
点滴中は漫才のビデオをみたり、治療中はなるべく前向きな気持ちでいられるよう努めました。そのせいかわかりませんが、医師から治療中の数値が「めったにないほどよい変化をしている」といわれるほど治療効果があり、手術・放射線・化学療法の治療を受けて、今は元気にすごしています。
治療中は「家族などにサポートしてもらいたいことや気持ちをうまく伝えられない」と切実に感じました。家族はいつも私をサポートしようとしていましたが、具体的に何をしたらよいのか悩んでいるようでした。
「何かして欲しいことない?」といわれましたが、頭の中で言葉をまとめてうまく説明できなかったのです。こんなことは、それまで経験したことがありませんでした。また、遠慮から何かをお願いすることをためらってしまうことも多々ありました。
家族が患者のために「何かしたいけど何をしたらいいかわからない」、と私もがんを患っている家族に対して思っていました。「こうして欲しい」と言ってもらえたら、もっと優しく、自信をもって接することができます。
自分の体験を生かして患者会を作る
そこで、患者さんと患者さんを大切に想っている人がさらに充実して助け合えるヒントを共有できる場所があったらいいと思い、患者・家族会を立ち上げることにしました。名前は、がん患者・家族会「まるネットワーク」です。「まる」とは、患者さんの気持ちがすこしでも楽になる瞬間があることを願っての名前です。
「まるネットワーク」の活動は、❶「がんになった人」と❷「がんになった人の家族・周囲の人」へのサポートです。「がんになった人」への主な活動は「楽しいこと」の情報を集めて共有することです。
この病気は免疫力がとても大切で、笑ったり穏やかな気持ちで過ごすことはそれ自体が〝くすり〟といってもいいほどだそうですが、実際にがん患者さんが自然に心から楽しくて前向きに笑うというのは簡単なことではありません。しかし、ある実験では、心から笑わなくても、作り笑いをするだけでも免疫力をアップさせる効果があるとか。
楽しさを共有できるサイトを
こうしたことから、実際に患者さんが思わず笑ってしまった方法や、一瞬でもなごやかな気持ちになれたという方法をエピソードや物や映像や言葉など、ネット上のサイトでアイディアを教えてもらい、(例えば、このコメディ映画がおもしろかったなど)、またその情報をネット上で、共有できるサイトを運営したいと思っています
「がんになった人の家族・周囲の人」への活動は、患者さんへ家族ができることを具体的に話し合って、〝見える形〟にできるカフェや相談室などに広げられたらと思っています。
家族の方で、治療以外のことで困っていることはありませんか。患者さんとどう接したらいいか迷うことはありませんか。患者さんに痛みがあるとき、その他なにげない日常であってもご家族にできるサポートはたくさんあります。
近くに暮らしていても離れていても、ご家族のほんの少しの言葉や行動が患者さんにとって大きな支えになると感じます。家族にできる「こころのサポート」情報を共有できればと思っています。
ほんの小さな事がらでも、患者さんがして欲しいこと、して欲しくない、してもらってうれしかった、助かったことなどをネット上で募集いたします。またご家族の方の日頃の思いやエピソードなどのアンケート活動を行いたいと思います。
ぜひ、患者さんご本人も、ご家族の方も「まるネットワーク」のサイトから気軽に気持ちをお寄せください。また一緒に活動してくれる方も募集しています。