脳に放射線をかける予定だが、不安
貧血の症状があって、血液検査を受けたところ、急性リンパ性白血病と診断されました。治療は今後、化学療法と脳への放射線療法を行うと言われています。後者は予防のために行うと説明されましたが、脳に放射線をかけることに不安があります。この放射線療法は受けたほうがよいのでしょうか。受けた場合、どのような副作用が起こることがあるでしょうか。
(愛媛県 男性 45歳)
A 全脳照射は通常なく、髄注が行われる
ご相談者のような状態の患者さんに、予防的に脳に放射線をかけることは、現在では通常行いません。脳に白血病が認められ、その治療のために行うことはあります。もしかしたら、医師の説明を何か勘違いされているのかもしれません。主治医にもう1度、確認されてみてはいかがでしょうか。
ただ、リンパ性の白血病は脳に浸潤しやすいため、何らかの対策は講じなければいけません。そのため、脳に浸潤が認められなくても予防的に髄腔内注入(髄注)が行われます。
髄注とは、脳脊髄液(髄液)に抗がん剤を注入する治療で、髄液とは、脳脊髄のくも膜や脳室内などを満たしている液体です。
リンパ性白血病に対して、髄注は必須の治療で、多くの場合、全身の化学療法を行うときに、同時に行います。
また、髄注は通常、1度だけでなく、何度も行います。
髄注を行うことで、リンパ性白血病が脳に浸潤することを防ぐ効果が期待できます。