骨髄移植後に再発。非寛解のまま再移植を検討。問題ないか?
43歳の次男のことで相談します。以前、急性リンパ性白血病で骨髄移植を受けましたが、再発しました。ドナー(提供者)になったのは、45歳の長男です。再度入院し、抗がん剤治療を受けましたが、寛解には至りませんでした。主治医には、臍帯血で再移植することを検討していると言われました。しかし、非寛解での移植はリスクが非常に高いと聞きますし、主治医からは、再々発の可能性が高くなると言われています。それでも移植を受けるほうがよいのでしょうか。
(神奈川県 男性 72歳)
A 非寛解での再移植は危険。治療成績も悪い
造血幹細胞移植には現在、「骨髄移植」「末梢血幹細胞移植」「臍帯血幹細胞移植」の3種類があります。このうち、赤ちゃんのへその緒の血液に含まれる造血幹細胞を移植する方法が臍帯血幹細胞移植で、この方が現在、検討されている移植方法です。
ご相談者がお書きになっているように、非寛解での造血幹細胞移植は大きな危険を伴いますし、治療成績もよくありません。臍帯血幹細胞移植では、なおさらです。再発率も非常に高いのが現状です。非寛解での移植の治療成績は、息子さんのように2回目の移植ではなく、初めての移植であっても芳しくありません。
こうした現状を考慮した上で、それでも移植を受けたほうがよいかどうかは、正直なところ、難しい選択です。選択肢の1つとしては、抗がん剤治療によって寛解をめざし、寛解に至った後に造血幹細胞移植を受けるという方法もあります。
造血幹細胞移植の方法には、たとえばご長男にもう1度ご協力いただき、骨髄移植ないしは末梢血幹細胞移植を受けることも考えられます。あるいは、骨髄バンクでドナーを探す方法もあるでしょう。臍帯血を用いて再移植を行った場合の治療成績は、まだほとんど明らかになっていないので、あまりお勧めできません。