肺がんの脳転移。サイバーナイフで視力を回復したい
72歳の母が肺がんで入院しています。脳に4㎝の転移があり、視力に障害が出ています。通常は手術で切除するようですが、母には糖尿病の持病があり、体力も心配です。
主治医からは、サイバーナイフという治療法があると聞きました。母の場合もこの治療を受けられるのでしょうか。治療はどのようなもので、どのくらいの期間、転院することになるのでしょうか。
(39歳 女性 大分県)
A 視神経への影響を覚悟の上で検討するとよい
千葉徳洲会病院脳神経外科部長の
福田 直さん
福田 直さん
視力障害が出現していて、視力を維持もしくは改善することを目的とするのであれば、早急に治療する必要があります。このような場合、治療をしなければ週単位で視力低下が進行し、失明も避けられないと思われます。
サイバーナイフによる治療をした場合、数週間で視力が改善する可能性が高いですが、視力障害が出現している場合は、すでに視神経に腫瘍が密着していることが予想され、治療により視神経にも放射線の影響が出る危険性があります。その場合は、一度よくなった視力が年単位で悪化することもあります。
治療に関しては、治療中の体への負担はほとんどないので十分施行は可能です。1日の治療時間は30分から1時間ほどで、検査が1日、治療が5~10日ほどの転院治療になります。脳転移のサイバーナイフ治療は保険適用となっています。