小脳膠芽腫で再発した場合の治療は?

回答者・田部井勇助
日本赤十字社医療センター脳神経外科専門医
発行:2017年2月
更新:2017年2月

  

妻(64歳)が小脳膠芽腫(しょうのうこうがしゅ)と診断され、いわゆる標準治療の手術と放射線およびテモダール治療を6クール行いました。リハビリをしながら、QOL(生活の質)も徐々に改善していますが、自力歩行まではもう少しです。今はまだ、再発の様子はありませんが、一般に膠芽腫と診断されると3カ月から1年の間で再発の可能性が高まると言われていますが、小脳膠芽腫の場合の予後(よご)は、大脳膠芽腫と比べてどうなのでしょうか。また再発したときの治療法はあるのでしょうか。

(67歳 男性 茨城県)

化学療法、再手術、再照射という治療選択肢がある

日本赤十字社医療センターの
田部井勇助さん

あくまでも一般論としてですが、小脳膠芽腫は大脳膠芽腫と比べて、重要な機能を司る脳幹(のうかん)や脳神経などが近くにあるため、手術で腫瘍を全て摘出することは難しく、部分的な摘出に終わることが多いとされています。また、小脳膠芽腫自体にも特性があり、大脳にできる膠芽腫と比べて性質が少し異なるとされ、予後は報告により異なりますが、一般的には大脳よりも若干悪いと考えられています。

ご相談者の患者さんの場合、まずは腫瘍が摘出できたかどうかが重要な点になります。手術で腫瘍の大半を摘出することができれば、標準治療である術後の化学放射線療法を行うことで、再発リスクを下げることができます。その一方で、腫瘍が脳幹など重要な組織の近くにあり、手術でほんの一部しか切除できなかったということであれば、再発リスクは高くなります。

また、遺伝子学的にテモダールの効果が見込めるタイプかどうかといった副次的な要素も、予後を考える上では加味されます。MGMTのメチル化と言って、膠芽腫の患者さんの中にはMGMTという遺伝子の一部分がメチル化された状態の人がいますが、メチル化を有する患者さんでは、テモダールが効きやすいことが明らかになっており、遺伝子発現の有無によって治療成績は変わってきます。

再発した場合の治療ですが、まだ膠芽腫に対する治療薬であるアバスチンは使っておられないので、再発時に使用できます。また人によっては、再手術や定位的放射線治療による再照射の可能性も考えられますので、たとえ再発しても前向きに治療に取り組まれて下さい。

テモダール=一般名テモゾロミド アバスチン=一般名ベバシズマブ

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