退形成性乏突起膠腫の治療法は?

回答者・田部井勇助
日本赤十字社医療センター脳神経外科専門医
発行:2017年2月
更新:2017年2月

  

先日、グリオーマの摘出手術を受け、病理診断の結果、退形成性乏突起膠腫(たいけいせいせいぼうとっきこうしゅ)と診断されました。主治医からは、今後は放射線治療と化学療法(テモダール)を行っていく方針と告げられました。LOH解析では、第1染色体と第19染色体の欠失ありとのことです。治療法として、主治医から示された方針がベストと考えてよろしいのでしょうか。家族のこともあり、多少つらくても最善の治療を受けたいと考えております。

(48歳 男性 秋田県)

放射線治療+化学療法(テモダール)を勧める

日本赤十字社医療センターの
田部井勇助さん

まず、結論から申し上げますと、主治医から提示された治療法は、現時点での標準的な治療と考えられますので、この治療方針で良いのではないでしょうか。グレードⅢの退形成性乏突起膠腫に対しては、これまでの臨床試験の結果から、放射線治療単独や化学療法単独よりも、放射線治療と化学療法(PCV療法)併用のほうが、治療成績が良いことがわかっています。ただし、PCV療法は、副作用が強く途中で脱落してしまう患者さんが多いことが知られており、現在世界的にも、PCV療法をテモダールに置き換えた治療が多く行われています。PCV療法とテモダールを比較すると、効果はほぼ同等で、副作用はテモダールのほうが軽いためです。

「第1染色体/第19染色体の欠失」がある場合、より化学療法の有効性が高いことが明らかになっています。ご相談者も遺伝子欠失があるということで、化学療法の効果が期待できます。テモダールに関しても、副作用として吐き気や便秘などの消化器症状が現れることが多いですが、服用しながら職場復帰をされている人もいますので、頑張って治療を受けられて下さい。

テモダール=一般名テモゾロミド LOH(loss of heterozygosity:ヘテロ接合性の消失)=1種類の遺伝子に対して通常は父親・母親から1つずつ受け継ぐが、何らかの原因で2つが両方とも片方の親のものになってしまうこと。LOH解析では、それがあるかどうかなどを調べる PCV療法=塩酸プロカルバジン(一般名プロカルバジン塩酸塩)+ロムスチン(一般名、日本未承認)+オンコビン(一般名ビンクリスチン)

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