人工肛門閉鎖後の排便の多さに苦慮。状態は落ち着くのか?

回答者・大矢雅敏
獨協医科大学越谷病院外科教授
発行:2016年12月
更新:2016年12月

  

今年(2016年)1月に直腸がんの手術を受け、一時的に人工肛門を造設したのですが、先月、人工肛門を閉鎖する手術を受けました。事前に主治医から話があったものの、現在1日に便の回数が15~20回ほどもあり、1度外出時に漏らしてしまいました。この状態は次第に落ち着くものでしょうか。また漏らしてしまうかもと思うと、怖くて外出もままならない状態です。

(67歳 男性 岐阜県)

排便機能が改善する見込みは十分ある。薬物療法を試してみる価値も

獨協医科大学越谷病院外科教授の
大矢雅敏さん

まだ、人工肛門を閉鎖する手術をしてから1カ月しか経っておらず、この先、排便機能が改善する見込みは十分あります。人工肛門を閉じてから2年間程度は、排便機能が徐々に改善するので、今は諦めずに我慢する時期です。ただ、便の回数がこう多いと、肛門の皮膚がただれてしまうことがあるので、軟膏クリームなどで十分ケアすることをお勧めします。

ただし、もし2年以上経っても、同じような状況が続くようであれば、その後に排便機能が大きく改善することは期待できません。その場合、再度人工肛門を付けることが、1番良い解決策になることが多いです。現に、再度人工肛門を付けることで、QOL(生活の質)が劇的に改善している患者さんも少なくありません。

最近、直腸がんの治療において、手術前に放射線治療を行って、その後ISR(内肛門括約筋切除術)を行うことがありますが、その場合、その後の排便機能の改善は難しいケースが多いです。ただ、放射線治療を行っておらず、手術時の吻合(ふんごう)が自動吻合器による器械吻合によって行われていれば、長期的に見て、普通に生活できる程度に排便機能が改善する場合がほとんどです。

他にも、腸の動きを抑制したり、便を硬くするような薬物療法を試す価値はあると思います。人によっては、過敏性腸症候群(IBS)の治療薬が有効な場合もあるので、主治医と相談して服用を検討してもいいかもしれません。

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