大腸がんⅣ期。もう治療法はないでしょうか

回答者●大矢雅俊
獨協医科大学埼玉医療センター外科教授
発行:2019年8月
更新:2019年9月

  

2016年11月に上行結腸(じょうこうけっちょう)がん・ステージ(病期)Ⅳと診断。腹膜播種(ふくまくはしゅ)と肝転移を起こしている。同年12月に手術。2017年1月よりXELOX+アバスチン(一般名ベバシズマブ)療法開始。2018年10月に肺転移が見つかる。

そこでご相談です。副作用で手足のしびれが酷くなったため、2017年5月よりエルプラット(一般名オキサリプラチン)の投薬を中止。その後、しばらく状態は安定していたのですが、2018年10月にCT検査で肺に転移が見つかり、その日からTS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)+イリノテカン(商品名カンプト/トポテシン)+アバスチン(一般名ベバシズマブ)療法を開始しました。

しかし、3度目の血液検査で「薬の効果が見られない」と言われ、次回の検査で肺転移したがんの大きさが変わっていないか、少しでも大きくなっているなら手術も出来ないし、余命1年だと言われました。体調に変わりはなく俄かには信じがたいのですが、医師からは「段々に体調が悪くなって入退院を繰り返すことになる」と言われました。本当にもう治療方法はないのでしょうか?

(42歳 女性 群馬県)

治療法はまだまだ残されている

獨協医科大学埼玉医療センター
外科教授の大矢雅俊さん

確かに患者さんはかなり難しい状態で、「本当にもう治療法はないか」とのご質問ですが、そんなことはありません。治療法はまだまだ残されています。

最初に行ったXELOX+アバスチン療法に再度トライされてもいいし、サードライン(3次治療)、フォースライン(4次治療)の薬としては、根治力はないのですが、スチバーガ(一般名レゴラフェニブ)やロンサーフ(一般名トリフルリジン)も使ってもよいと思います。

また、手術で切除したがん細胞は残っていると思われますので、遺伝子検査をしてRAS野生型であればEGFR(上皮成長因子受容体)抗体に、アービタックス(一般名セツキシマブ)かベクティビックス(一般名パニツムマブ)を投与してみる価値はあります。上行結腸がんに対する最初の治療の段階ではEGFR抗体の効果は乏しいのですが、この段階であれば検討してよいと思います。

さらにMSI検査(マイクロサテライト不安定性検査)を行って、患者さんに適応であればキイトルーダ(一般名ペムブロリズマム)を使用することもできます。

標準治療がすべて終わって他に治療法がない場合には、がんゲノム医療を受けるという手も残されています。患者さんがどのような病院で手術を受けられたのかわかりませんが、ゲノム治療を希望される場合は主治医とよく相談してみてください。

とにかくこの患者さんの場合、余命1年と言われているということは、全身状態は悪くないようです。色々な治療法がまだ残されているので、希望を持って治療に臨んでいただきたいと思います。

XELOX療法=ゼローダ(一般名カペシタビン)+エルプラット(一般名オキサリプラチン)

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