乳房外パジェット病でリンパ節転移。術後補助化学療法をしたほうが良いか

回答者・吉野公二
がん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科医長
発行:2017年1月
更新:2017年1月

  

外陰部にかゆみを伴う湿疹のようなものができ、乳房外パジェット病と診断されました。手術で患部を切除し、リンパ節に転移もしていたので、リンパ節郭清(かくせい)も行いました。主治医からは、再発の可能性についても話がありました。再発しないためにも、術後に化学療法や放射線治療など、何か治療をしたほうが良いのでしょうか。治る可能性のある治療なら、できる限り受けたいと思っています。

(66歳 男性 三重県)

術後補助療法は行わず、念入りにCT検査を行うことを勧める

がん・感染症センター都立駒込病院
皮膚腫瘍科医長の吉野公二さん

乳房外パジェット病でリンパ節への転移があり、リンパ節郭清を行ったということですが、リンパ節転移の数が1個であれば予後は非常に良く、術後補助化学療法の必要はありません。ただ、2個以上の場合だと、約80%の確率で内臓へ転移すると言われています。

乳房外パジェット病で内臓転移を起こした場合、化学療法による治療が行われますが、現在のところエビデンス(科学的根拠)が確立され、保険適用されている抗がん薬はありません。実際には、ある程度の有効性が認められているタキソテールによる治療が行われることが多いですが、乳房外パジェット病の患者自体少なく、データが集まらないため保険適用に至っていないのが現状です。同様のことが術後補助化学療法についても言え、エビデンスが確立されている薬剤は存在せず、タキソテールによる治療が本当に再発予防に有効なのか、明らかにはなっていません。

また、仮に術後補助化学療法としてタキソテールを使用して、その後転移してしまった場合、タキソテール以外の薬剤を使わなければならず、期待される効果が得られないことも考えられます。

今後転移を起こしてしまう可能性はゼロではありませんが、現時点では術後補助化学療法は行わず、4カ月に1度といった頻度で念入りにCT検査をしていきながら、転移の有無を評価していくことが良いのではないでしょうか。そして、残念ながら転移してしまった場合には、有効性が示されているタキソテールによる治療を行うことをお勧めします。

なお、術後の放射線治療についても書かれていますが、放射線照射はあくまでも局所コントロールするための治療であり、遠隔転移を予防する目的で行うものではありません。

タキソテール=一般名ドセタキセル

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