悪性黒色腫が脳転移。今後の治療は?

回答者:並川 健二郎
国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科医師
発行:2013年5月
更新:2013年12月

  

腕のほくろが1~2年で倍の大きさになり、病院で受診したところ、悪性黒色腫と診断されました。悪性黒色腫は手術で切除できたのですが、リンパ節に転移していることがわかりました。先日、脳転移していることもわかり、非常に落ち込んでいます。今後、どのような治療をしていくのでしょうか。

(島根県 男性 67歳)

A 脳転移局所治療と全身治療を組み合わせる

悪性黒色腫は悪性度が高い皮膚がんで、脳転移を起こすことが少なくありません。

脳転移は進行すると、頭痛、吐き気、けいれん、麻痺を起こしたり、出血して命に関わることがあるので、他の臓器に転移があっても優先的に治療を検討すべきです。

脳転移の治療は、転移した場所や数、大きさによって変わってきますが、ガンマナイフなどの定位放射線照射や手術による局所治療が有効な場合があります。ガンマナイフとは、放射線の一種であるガンマ線を1点に集中させ、ピンポイントで組織を攻撃する治療法です。

脳転移の局所治療に並行して、化学療法による全身治療も検討します。化学療法ではダカルバジン(一般名同じ)という抗がん薬の単剤使用が一般的です。また、このダカルバジンにニドラン、シスプラチン、タモキシフェンを加えたDAC-Tam療法(ただしタモキシフェンは近年省略される傾向にあります)が行わることもあります。いずれも効果が高いとは言い難いのですが、患者さんの体調をみながら、効果と副作用を考慮して継続するかどうかを決めています。

最近では、進行性悪性黒色腫の場合、海外ではすでに承認され、標準治療となっているイピリムマブ(一般名)やベムラフェニブ(一般名)という分子標的薬も用いられています。ベムラフェニブはBRAF遺伝子を標的とした阻害薬で、BRAF遺伝子に変異のある患者さんが対象となります。日本ではまだ承認に向けた治験が行われている段階です。治験には複数の参加条件がありハードルが高いのですが、ご希望される場合はまず主治医に相談するようにしてください。

ニドラン=一般名ニムスチン シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ タモキシフェン=一般名ノルバデックス/タスオミン

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