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2015_jul_i

大腸がんの基礎知識 大腸がんってどんな病気?

監修●石黒めぐみ 東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座准教授
取材・文●「がんサポート」編集部

国立がん研究センターが今年4月に発表した2015年のがん罹患数の推計で、これまで3位だった大腸がんが、胃がん、肺がんを抜いてトップになった。大腸がんはどんな病気なのか。大腸がんの基本的なことから治療の進め方まで専門医に聞いた。

進化する個別化医療──遺伝子検査による治療選択の時代へ

監修●吉野孝之 国立がん研究センター東病院消化管内科科長
取材・文●「がんサポート」編集部

大腸がん治療で特徴的なのが、無駄な薬剤投与をしないための遺伝子検査だ。近年確立された方法だが、さらに進化を続けている。大規模な遺伝子診断ネットワークづくりも進行中だ。

術後の身体の回復が早い!

監修●渡邉一輝 NTT東日本関東病院外科医長
取材・文●伊波達也

腹腔鏡下手術は開腹手術に比べると傷が小さくて済むため、早期に離床でき、入院期間も短い。高齢のがん患者さんには低侵襲の手術が求められるが、果たして腹腔鏡下手術は有効なのだろうか。高齢者の開腹vs.腹腔鏡下手術の比較試験の結果と、大腸がんの腹腔鏡下手術の今後を探った。

病勢安定期間を延ばす

監修●水沼信之 がん研有明病院消化器センター消化器化療担当部長
取材・文●町口 充

治癒切除不能の進行・再発大腸がんの治療は、分子標的薬の登場で飛躍的に向上している。それでも3次治療、4次治療の段階になると治療薬がない状態になっていたが、2013年に分子標的薬スチバーガ、14年に抗悪性腫瘍薬ロンサーフが新たに加わって選択肢が増え、最適な治療を続けることができるようになってきた。

術前の閉塞解除治療と手術不能例に対する緩和的治療

監修●斉田芳久 東邦大学医療センター大橋病院外科教授
取材・文●柄川昭彦

がんのために大腸が閉塞した場合、かつては緊急手術が行われ、人工肛門を造設するのが一般的だった。しかし、2012年に大腸ステント治療が保険で認められ、現在では、閉塞部にステントを留置する治療が可能になっている。治療に要する時間は、通常15分程度。ステントが入ると速やかに閉塞が解除され、人工肛門を回避することができる。日本における大腸ステント治療は、欧米に比べて安全性が高いことをデータが示している。専門家に治療の現状を聞いた。

腸閉塞、排便・排尿障害、便秘を緩和する

監修●舛田佳子 神奈川県立がんセンター主任看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師
取材・文●池内加寿子

大腸がんの手術をされた患者さんは、術後の身体の変化やトラブルが気になるだろう。術後に起こりやすい症状とは?食事はどのように進めていけばいいのか?排便障害や排尿障害は起こるのか?患者さんが悩みがちな術後の生活について、専門家に聞いた。

エルプラット、サイラムザと新たな治療選択肢も登場

監修●朴 成和 国立がん研究センター中央病院副院長/消化管内科科長
取材・文●町口 充

手術による切除が困難と判断された進行・再発胃がんの化学療法に、ファーストラインではエルプラット(2015年3月承認)、セカンドラインでは分子標的薬のサイラムザ(同)が加わった。かつて胃がんは抗がん薬が効きにくいがんと言われたが、着実に治療の選択肢が広がりつつある。

マウスモデルで体重減少を抑制し、生存期間を延長

監修●辻本広紀 防衛医科大学校上部消化管外科講師
取材・文●中田光孝

これまで胃がんの腹膜播種では抗がん薬が効かなくなると、それ以上打つ手がなかったが、昨年(2014年)11月、光増感剤内包ナノ粒子を用いた光線力学療法(PDT)により、ヒト胃がん細胞を移植したマウスの腹膜播種モデルで体重減少の抑制と生存期間の延長効果が得られたとの報告があり、将来的には食道がんや肺がんなどでも臨床応用が期待されている。

進化する腹膜播種の化学療法

文●「がんサポート」編集部

胃がんの怖さに腹膜播種がある。決して珍しい症状ではなく、胃がんでの死亡者のうち、半数近くが腹膜播種に苦しむとされている。これまでは化学療法を受けても予後が悪いとされてきたが、近年は新しい併用療法の研究が進んでいる。その中でも、とくに注目されているのが、パクリタキセルなどを用いた腹腔内投与併用療法。この併用療法に2006年から取り組んでいるのが東京大学医学部附属病院腫瘍外科。本誌では、これまでにも数回、同治療法について紹介してきたが、今回はその後の研究の進捗状況について、入手した資料をもとにまとめてみた。

術後の社会復帰までをサポート

監修●大幸宏幸 国立がん研究センター東病院食道外科科長
取材・文●柄川昭彦

食道がんは早い段階からリンパ節転移を起こしやすい。そのため手術では食道の切除に加え、頸部、胸部、腹部に及ぶリンパ節を取り除く必要があり、体への負担が大きい。そこで、患者さんの社会復帰までを見据え、開胸・開腹よりも傷や痛みの少ない「胸腔鏡・腹腔鏡下手術」が注目されている。
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