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監修●高橋和久 順天堂大学医学部呼吸器内科学教授/順天堂大学附属順天堂医院副院長

2018年末、肺がん治療に対する免疫チェックポイント阻害薬の適応が大幅に拡大された。遺伝子検査で分子標的薬が適応にならなければ、PD-L1発現の有無に関わらず、免疫チェックポイント阻害薬を使った免疫療法を受けられるようになったのだ。2019年の幕開けと同時に、肺がん治療は免疫療法主流の方向に大きく舵を切った――。

監修●大西 洋 山梨大学大学院総合研究部放射線医学講座教授

免疫チェックポイント阻害薬の登場により、進行肺がんの治療に大きく光が差してきたが、単剤では遠隔転移を排除できる率は十分とは言えない。そんな中で期待されているのが放射線との併用療法だ。放射線療法が固形がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する可能性があることを検証する臨床試験も増えている。自身もその研究に携わる山梨大学大学院総合研究部放射線医学講座教授の大西洋さんにその現状について伺った。

監修●青木秀梨 東京大学医学部附属病院放射線科病院診療医

コンピュータ技術の革新、治療装置の高精度化などにより、がん組織に集中的に高線量を当てつつ正常組織への照射を最低限に抑える放射線治療が可能になっている。その代表といえるのが、体幹部定位放射線治療(SBRT)だ。

SBRTの利点は、低侵襲で体への負担が少なく、高齢や合併症などの理由で手術が難しいがん患者にも比較的安全に施行できる点である。東京大学医学部附属病院放射線科では、原発性・転移性肺がんを中心に、早くから積極的にSBRTを行なっており、良好な成績を得ている。同科の青木秀梨さんに、SBRTの利点、治療効果などについて伺った。

監修●木島貴志 兵庫医科大学内科学講座呼吸器科主任教授

希少がんである悪性胸膜中皮腫は、保険適用で使用可能な抗がん薬が少なく、予後不良の疾患である。外科的切除の適応となる症例は少なく、また手術自体の意義についても一定した見解はなく賛否両論であるが、兵庫医科大学では積極的に術前後の化学療法と外科的切除を併用した集学的治療を行っている。同大学呼吸器外科では年間30例を越える手術を行っており、手術ができた症例の予後は極めて良好である。

一方、大多数を占める切除不能症例に対する化学療法については、*ペメトレキセド+*シスプラチンの併用療法が 初回の〝標準的〟治療として定着して以来15年以上なかなか打開策がなかった。しかし昨年(2018年)、初回治療後再発症例に対して免疫チェックポイント阻害薬の*オプジーボが第Ⅱ相試験(MERIT試験)の結果を受けて保険承認されたことにより、ようやく一筋の光が見えてきた。これらの結果を含めた現状や将来展望について、同大学内科学講座呼吸器科主任教授の木島貴志さんにうかがった。

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