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201304s

消化器症状の緩和 緩和ケアではガイドラインより臨床現場の知恵がモノを言う!

監修●余宮きのみ 埼玉県立がんセンター緩和ケア科科長 
取材・文●祢津加奈子 医療ジャーナリスト

吐き気や嘔吐、便秘、腹部膨満感などの消化器症状は、進行がんの患者さんを苦しめる大きな原因の1つだ。しかし、埼玉県立がんセンター緩和ケア科科長の余宮きのみさんは「原因は複数重なっていることが多いのですが、専門家がそこにきちんと対処すれば、ほとんどはコントロールできます」という。

呼吸器症状への対策 「がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン」を読み解く

監修●田中桂子 都立駒込病院緩和ケア科医長
取材・文●伊波達也

がんに伴う呼吸器症状はつらく、厳しい。副作用として生じるケースもある。主観的な苦痛症状であるため診断と対応は難しいが、一昨年出された『ガイドライン』に沿って対応をさぐる。

皮膚症状のケア 皮膚症状を重症化させないために、患者さん自身でできることはたくさんある

監修●市川智里 国立がん研究センター東病院がん看護専門看護師
取材・文●池内加寿子

がんの治療薬が増えてきた。そしてそれと同時に増えたのが、副作用の皮膚症状だ。皮膚症状といっても、重症化すると日常生活にも支障をきたす。症状悪化を見逃さずに、皮膚症状を上手にケアして、がん治療を長続きさせていくことが大切だ。

倦怠感とリハビリ 生活活動レベルを維持させるための適切な運動とは?

監修●渡邉 学 大阪府立急性期・総合医療センターリハビリテーション科主任部長 
監修●藤岡真紀 大阪府立急性期・総合医療センター同科理学療法士
取材・文●増山育子

がん種や性別、年齢に関わらず出現するという倦怠感。寝ていれば治るものではなく、放っておくと寝たきりになることもある。そうならないためには、がんと診断されたときから、リハビリテーションを活用した適切な運動をすることで、倦怠感を軽減させることが大切だという。

口腔粘膜炎 重視され始めた口腔ケアによる合併症の予防効果とは

監修●古賀陽子 東京大学医学部附属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科助教
取材・文●平出 浩

抗がん薬や放射線の影響で、がん治療中に口の中が腫れる、ただれるといった口腔粘膜炎は、多くの患者さんが体験する。しかし、痛い、食べられないなどの、つらい症状は、治療前からの口腔ケアでずいぶん軽減できるという。なぜ起こるのか、どうしたら予防できるのか、がん患者さんの歯科診療を積極的に行う医師に聞いた。

6抗がん薬によるしびれ・痛み――有効な薬の登場で、症状の軽減が可能に

手足のしびれ・痛み対策 進行すると抗がん薬中止も。早めの対応が肝心

監修●細川豊史 京都府立医科大学疼痛緩和医療学講座病院教授
取材・文●七宮 充

抗がん薬はさまざまな副作用を引き起こします。その1つが、手足の指先のしびれや痛みです。抗がん薬によって末梢神経がダメージを受けて起こるもので、『化学療法による末梢神経障害』と呼ばれ、〝神経障害性疼痛〟に分類される痛みです。やっかいなのは、消炎鎮痛薬やオピオイドなどが効かないことです。しかし最近、こうした痛みに効果のある新しい薬が登場し、症状を軽減できるケースも増えています。

7抗がん薬の副作用で起こる口内炎を短期間で治す漢方薬「半夏瀉心湯」

漢方の効果 漢方薬の効果を科学的に証明した臨床試験結果を紹介!

監修●三嶋秀行 愛知県医科大学病院臨床腫瘍センター教授・治験管理センター長
取材・文●柄川昭彦

「半夏瀉心湯」を水に溶かしてうがいをすることで、抗がん薬の副作用で起こる口内炎は早く治る。評価が難しかった漢方薬の効果が、二重盲検無作為化試験で、科学的に明らかにされた。

8早期からの栄養サポートで治療成績アップ

経腸栄養剤 体重を落とさず、効果的な治療を続けるための経腸栄養剤活用法

監修●比企直樹 がん研有明病院消化器センター副部長・栄養管理部長
取材・文●町口 充

がん治療の早期から体重を落とさない栄養サポートを行うことは、術後の合併症や化学療法・放射線治療の副作用を防ぐとともに、治療成績を向上させ、QOL(生活の質)を高めることがわかってきました。そこで注目されているのが、経腸栄養剤など、普通の食事がとれないときに用いられる栄養剤の役割です。

9抗がん薬治療を継続するための「目に現れる副作用」の対処法

目の副作用対策 TS-1による涙のトラブルは、早期に対処して重症化させないことが大切

監修●安井博史 静岡県立がんセンター消化器内科部長
取材・文●柄川昭彦

TS-1は日本で開発され1999年に優先審査で胃がんの治療薬として承認され、その後、さまざまながんに効能を追加されている。また、胃がんでの術後再発予防、さらに本年1月の米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)において膵がんの術後投与による画期的な治療成績が報告されている。このようにTS-1によるがん治療の重要性が増す中、近年、目の副作用が問題になり始めた。治療効果を最大限に引き出すためにも、早期に対応し、重症化させないことが重要である。
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