薬を飲み続けることが経済的負担に……

回答者:鈴木 憲史
日本赤十字社医療センター 副院長・血液内科部長
発行:2013年7月
更新:2013年12月

  

慢性骨髄性白血病患者です。今、グリベックを飲んでいて寛解することができています。しかし、薬剤が非常に高く、飲み続けている状態に負担を感じているので、できたら少し中断したいと考えています。今、グリベックを中断してどのくらい寛解状態が保てるかという臨床試験が行われていると聞きました。その結果はどのようなものなのでしょうか。できるのならばぜひ休薬して、悪化するようならば、また治療を再開することを望んでいます。

(新潟県 女性 53歳)

A 医師の管理のもと休薬もありうる

グリベックはよく効く薬で、10年生存率は93%で、この病気の治療の概念を変えた分子標的薬です。

ご質問の臨床試験ですが、我々は今、ストップ・イマチニブ・テストというものを行っています。グリベックを数年間飲んでいて、遺伝子検索で5以下(検出感度以下)が2年以上続いた患者さんに対して、インターフェロンを1年間、週に5回くらい注射するということを1年間行い、そのあとやめるという試験です。

それによると、4割の人は、その後数年間は安定していて、おそらく再発はしないと考えられています。

グリベックをある期間飲んでから、やめるのは可能です。しかし、医師の管理のもとであることが大切です。数年たって再発したら、再度グリベックを使うなどの方法があります。

一生飲むという概念は、今はなくなってきています。経済的にも精神的にも負担です。やめた人に聞くと、顔のむくみやだるさがとれたといった声も聞かれます。

グリベック=一般名イマチニブ

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!