慢性骨髄性白血病だが、副作用でグリベックを中止。再開すべきか?
慢性骨髄性白血病でグリベック(一般名イマチニブ)を服用しています。服用は最初4錠から始めましたが、発疹や全身のかゆみ、38度台の発熱などの副作用が出て、1度は中止しました。その後、2錠で服用を再開しましたが、発熱や白血球数の低下などの副作用が再び出て、現在、休止しています。このような状態で、またグリベックを再開してもよいのか悩んでいます。副作用が落ち着いたら、グリベックを再開したほうがよいのでしょうか。あるいは、ほかの治療に変えたほうがよいでしょうか。
(福島県 女性 44歳)
A 副作用対策をしっかりしながらグリベックで治療
グリベックは慢性骨髄性白血病に対し、たいへんよく効く治療薬です。グリベックが登場する前はインターフェロンが標準の治療薬で、この薬剤では、完全寛解に至る患者さんは2割もいませんでした。しかしグリベックでは、およそ8割の患者さんが完全寛解(より正確には「細胞遺伝学的な完全寛解」)に達しています。
また、初回からグリベックを服用している慢性骨髄性白血病の患者さんは、7年経過しても、9割近くが亡くならずに、病気も進んでいないというデータもあります。
発疹や全身のかゆみは、グリベックではしばしば起こる副作用です。これらの症状は、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、場合によっては、少量のステロイド剤などを投与することで改善します。発熱や白血球数の低下などに対する対処法もあります。
副作用が強く出たときには無理に治療を続けるべきではありませんが、対症療法を行い、症状が改善した際には、グリベックの服用を再開したほうがよいでしょう。その際は、2錠や3錠の内服でもよいのですが、4錠が標準の薬剤量ですから、可能なら、4錠飲むのが望ましいといえます。
また、グリベックの副作用は通常、適切な対策をとっているうちに、ある程度、慣れてきます。なかには、半年ほど経つと、副作用はほとんど出なくなる人もいます。
慢性骨髄性白血病に対して承認されている治療法には、グリベック以外にタシグナ(一般名ニロチニブ)とスプリセル(一般名ダサチニブ)があります。これらはグリベックに続く薬剤として期待されています。しかし、先に書いたように、グリベックの副作用対策をしっかり行って、グリベックで治療していくことが現在は大切でしょう。