乳房外パジェット病と診断。センチネルリンパ節生検を受けたほうが良いか
外陰部に薄紫色にただれたような部分があり、市販の薬を塗ってもなかなか治らなかったため皮膚科を受診したところ、乳房外パジェット病と診断されました。これから手術を受ける予定です。本などで色々調べてみたところ、センチネルリンパ節生検を行ったほうが良いとする記事を目にしました。ただ、今通っている病院ではセンチネルリンパ節生検を行っていないということです。今後、どのように対応したら良いでしょうか。
(67歳 男性 宮崎県)
A 受けたほうが良い。行っている施設を主治医に聞くのも手
皮膚腫瘍科医長の吉野公二さん
乳房外パジェット病では、たとえリンパ節が腫れていなかったとしても、センチネルリンパ節生検を行うと、少ないながらも転移が見つかる場合があることがわかっています。この場合、早期にリンパ節郭清を行うことで、予後を改善させる可能性があります。
乳房外パジェット病の予後因子はリンパ節転移の数になります。たとえ転移があったとしても、1、2個の段階であれば、その後の予後は良いと考えられています。転移の個数がそれ以上になると、その後内臓に転移する確率は高く、予後は悪くなります。
現在、乳房外パジェット病のセンチネルリンパ節生検は保険適用になっておらず、CT検査を行うのみでセンチネルリンパ節生検を行っていない施設も多いです。ただ、たとえリンパ節が腫れていなくても転移している可能性はあり、センチネルリンパ節生検を行わなかった場合、転移があるのを見逃すことに繋がりかねません。このことから、センチネルリンパ節生検は行ったほうが良いでしょう。
もし今通っている施設でセンチネルリンパ節生検を行っていないのであれば、主治医の先生に生検を実施している施設を聞いて、問い合わせてみるのも1つの手です。当院にも、電話で問い合わせが来ることがあります。
また、当然ながらセンチネルリンパ節生検は、手術を受ける前に行うことが必要です。手術で腫瘍を切除してしまった後に行っても、正確にセンチネルリンパ節を同定することはできません。