人工肛門を取り外す手術ができない。原因は?
父(73歳)が昨年(2016年)7月にS状結腸がんで手術。手術後に腸閉塞(ちょうへいそく)を起こし、急遽人工肛門を造設しました。当初は12月に、人工肛門を閉鎖する手術を受けることになっていたのですが、検査の結果、癒着で腸に著しい狭窄が起きている箇所が見つかったので、人工肛門を取り外す手術を延期することになりました。がんの再発等、何か深刻な病状も考えられるのでしょうか。
(42歳 女性 岡山県)
A PET検査で再発の有無の確認を
獨協医科大学越谷病院外科教授の
大矢雅敏さん
大矢雅敏さん
人工肛門を取り外す手術ができないということは、人工肛門を閉鎖すると腸閉塞が再び起こる可能性があるということだと思います。がんの再発である場合もありますが、再発でなくても、人工肛門を造設するきっかけになった問題が解決されていなければ、人工肛門を閉鎖する手術だけを実施することはできません。腸管の通りを良くするためにバイパス手術を行ったり、狭窄部分を切除するなど、もう少し大きな手術が必要になり、そういった手術を同時に行う、または先行して行うことを前提として、人工肛門を閉鎖する手術を検討することになります。
一方で、もしがんの再発ということであれば、人工肛門を閉鎖する手術はかなり難しいでしょう。閉鎖したとしても、すぐにまた人工肛門が必要になる可能性が高いからです。通常のCT(コンピュータ断層撮影)などで再発の有無がはっきりしない場合には、可能であればPET(陽電子放射断層撮影法)検査を受けて、がんが再発しているかどうかを確認すると良いかと思います。