高知医療センターがん患者会 サロン「池の会」(高知)
アットホームな雰囲気で心の交流を持ちながら頑張っていく
「池の会」代表の
島内亮さん
お互いに認め合い、理解し合うよう努力して、会を発展させる
高知医療センターがん患者会サロン「池の会」は、院内だけでなく地域のがん患者さんや、患者さんを支えているご家族の方々にも集まっていただき、心の悩みや病状の相談、療養上の情報の交換、医療者からの医療情報の提供などを目的に、2008年11月に発足しました。
運営は患者主体で行っており、病院側との連絡窓口としてはがん相談員さんが協力してくれています。
病院を受診した際、待ち時間などに利用していただけるように、月~金(祝日・年末年始は除く)の午前中は、高知医療センター1階の研修室を開放してもらい、図書などを設置した「患者サロン」を開設しています。
また、毎月第1、第3木曜日午後には定例会を開催しています。そこでは、患者会の運営方針についても話し合いを行っています。
開設当初、5~6名の参加者で、「アットホームな雰囲気を大切に、参加者1人ひとりの置かれている状況、立場の違いを認め合い、さまざまな情報を交換しながら理解し合うよう努めたい」という会の方向性が確認されました。
参加者心得
- 当会は患者主体の自助グループでアットホームな雰囲気を大事にします
- 参加者1人ひとりの置かれている状況、立場の違いを認め合い、さまざまな情報を交換しながら理解し合うように努めます
- サロン内で起こったことはサロン内で解決できるように努め、互いの参加者のプライバシーを他で話したりしません
- 自分の価値観、宗教、政治、特定の治療法、薬、食品などを押し付けたりしません
- 言いたくないこと、したくないことを断る勇気を持ちます
参加者からは、茶話会的な雰囲気で、初めて「がん」と告知されたときの気持ちや、その後のがんの治療体験、抗がん剤の副作用が起こったときにはどのように対応しているのか、医療費や障害年金などの経済的な問題、ときには病院や医療者へのクレームなどが話題となります。
「会に参加することで気が晴れる」、「友人にはがんについて話したくないけど……」、「がんについてのカミングアウトをどうしているか?」など、普段から心の奥に潜んでいる思いやうっぷんを話すことにより、結論がでるようなことではないのですが、会に参加して、皆さんと一緒に時間を共有するだけで気持ちが落ち着くという声も聞かれます。
会を重ねていくうちに参加人数も増え、やっと会が定着してきたかと思うと、とてもつらいことですが、病状が悪化し参加できなくなる方もいらっしゃいます。
それでも患者会では、患者さんやそのご家族が少しでも楽しい生活を送る上で、患者会が役に立っただろうかなどと考えつつ、ときどきその方々の思い出話をしたりしています。
その一方で、患者さんがぎりぎりの状況まで車椅子で参加されたり、参加者が少なくなったときでも「自分は1人になっても参加しますから」と定例会の日を待っている方がいらっしゃることに、患者会の確かな存在意義も感じています。
たとえ参加者の数が少なくなったときでも、がん相談員さんが窓口となって、1人でも定例会を開催することができるようになっています。
また、年に1回くらいは病院の外での親睦を深めたりもしています。高知の観光名所となった牧野植物園の散策、温泉旅行(日帰り)などの行事を計画し、実行してきました(病院からは看護師さんの参加もあります)。
親睦だけでなく、高知県がんフォーラムや各種がんセミナーへ参加することにより、がんの予防や最新の治療方法などについて学習しています。
最近では緩和ケアへの関心も高く、終末期のあり方を考えたり、「みんなで緩和ケアを考える会」などにも積極的に参加するようになりました。会員からこんな話が聞きたいというリクエストがでたときは、専門家の話も病院の協力でしていただけるようになっています。
まだまだ会員数も少なく、内容についても課題が山積ですが、前病院長のご尽力により、2009年度公益信託高知新聞・高知放送「生命(いのち)の基金」から患者会に助成を受けることができ、会の運営に役立たせていただいております。
今後も「患者同士がつながり、支え合い、お互いの心の交流の中、また明日を頑張れる」というスローガンのもと、会をますます発展させていきたいと思っています。
高知医療センターがん患者会 サロン「池の会」
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