そらまめの会(腎細胞がん・腎盂がん)
インターネットと交流会でつなぐ、腎がん患者の絆
そらまめの会代表の
三川一夫さん
腎がんの情報が欲しかった。自らの発信で大きな反響が
腎臓がそらまめの形をしていることから名付けたそらまめの会は腎細胞がんと腎盂がんの患者とその家族が、がん体験やさまざまな情報を交換し、お互いに励まし合いながら明るく楽しく生きていくことを目的として活動をしています。
まずはどうしてそらまめの会が発足したかについてお話しさせていただきます。
私が2002年1月に腎細胞がんと診断され、どんながんなのか調べてはみたのですが、本はもちろん、インターネットで検索しても専門的な文献ばかりしか見つからず、どんな治療があるのかもわからなくて大変不安でした。そして医師からは「すぐに手術します。いつにしましょうか」と言われ、任せるしかないと応じたものでした。
そんな少数派のがん(10万人に5人位)だから何としてもホームページでその様子を書いていこうと考えました。入院までのこと、入院し手術までの様子、手術後の回復の様子、退院して職場復帰するまでの様子、その後の検査等について記した闘病記をさっそく書き始めました。
ホームページだけでは一方的な情報なので、情報交換したり、励まし合ったり、悩みを相談し合える場を作ろうという気持ちで、腎細胞がん掲示板を11月に開設しました。
するとその反響は予想以上に大きく、がんを宣告された方々から、不安な気持ちが和やわらぎ、気持ちも落ち着き、腎細胞がんについての知識も得ることができると、大変感謝されました。たとえば「こんなに温かい返事を頂いて嬉しいです」「これまでの皆様方の激励やアドバイスに支えられ、手術を乗り切ることができました。本当にありがとうございました」との書き込みです。
その掲示板の投稿者にメダカさんという方がおられました。メダカさんは、手術後の定期検査で転移が見つかり、本格的な治療が始まるところでした。そんな中、東京に来られる機会があり、2004年4月17日に私の家に来られました。そのときメダカさんが熱く語っていたのは「患者の会が必要だ」ということでした。
彼は同じように転移した患者さんからのメールでの相談に丁寧に返事を書いて対応をされていました。そんな中、とうとうメダカさんが動き出しました。
故メダカさん
2007年10月7日に関東地区交流会を開催しました。参加者は予想を上回り16名集まりました。まず、メダカさんが自己紹介を兼ね16カ所にも転移している自分の症状について話し、次に会の趣旨について話されました。
会の前半はメダカさんが「腎細胞がんはどんながんか」「その治療法にはどんな方法があるのか」について講義しました。
後半は2つのグループに分かれて自己紹介を兼ねて現状の話をし、自由交流をしました。とても有意義な会になりました。メダカさんは名古屋の方でしたので、私が会の代表になることになりました。
その後、2008年1月14日に彼の地元である名古屋で開催し、さらに2008年5月11日には大阪でも開催しました。そしてこの年から精力的に3カ所で年2回交流会を開いていましたから、2カ月に1回は交流会を開いておりました。
前半はすべてメダカさんが講師をしてくださり、さまざまなテーマで学習をし、後半はお互いの交流や相談を受けたりしておりました。
メダカさんが2009年夏に亡くなられるまで関東地区で3回、名古屋で3回、大阪で2回交流会を開きました。その後、関東地区は今まで通り、年2回の交流会を開いておりますが、名古屋では行われていません。大阪は引き継いでくださる方がおられたので昨年5月8日に開催することができました。
現在、関東地区交流会は原則として4月と10月の年2回、日曜日の午後1時から4時半まで行っております。また、昼時なので参加できる方は会場の近くで昼食を一緒に食べながらおしゃべりをしています。
交流会の前半はテーマを決めての勉強会をし、後半は現状報告やさまざまな話題のフリートーキングをしています。また、交流会は少し堅苦しい面もありますので、1月と12月に食事会(飲み会)も企画し、もっと気楽な交流も行っております。
そらまめの会の日常的な最大の活動は何といってもインターネットでの掲示板です。腎盂がんの方の書き込みもあり、仲間に入れてほしいとの要望があって一緒に活動をしております。
現在はそらまめの会総合フォーラムとして生まれ変わっています。ゲストとしていつでも見ることはできますが、登録すれば自由に書き込みができます。わからないことや相談したいことを書き込めば、みなさん丁寧に、親切に返事を書いてくださいます。ぜひ利用してください。
今後の活動ですが、講師を招いての講演会の開催や、専門の医師をお招きしての交流もしていきたいと思っています。さらに患者の会の組織として活動ができたらと考えております。
そらまめの会
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