がん患者グループゆずりは
“病と向き合ってどう生きるか”を考える
患者会の連携を深めつつ、“支え合いと癒しの場”の拡大をはかる
がん患者グループゆずりは会報
ゆずりはは、1996年に、肝臓がんで余命1年と告げられた方から、患者同士が支え合いの輪を持つことの大切さを提唱されたことがきっかけで、NPO法人「日本ホスピス・在宅ケア研究所」の支援をうけて発足しました。
以来12年、ゆずりはは、「相互に支え合って、有意義に満たされた日々を過ごせるように支援する」、「終末期にも、自分らしさを保ちながら安らかに向き合えることを目指す」を基本理念とし、地域を限定せずに、また、がんの発生した部位の違いを超えて誰でもが参加できる開かれた自助グループとして活動を続けてきました。
「ゆずりは」の名前は、この活動が何時までも続けられることを願って「古い葉は落ちても新しい葉が次々と成長し引継がれる」“譲葉”に因んでつけられたものです。
事務所は神戸市に置き、会員数は現在140名です。患者、家族、医療関係者、介護関係者および支援者で構成され、東は三重県、西は広島県、高知県までの方に在籍いただいています。
毎月開かれる定例会風景
007年3月に開かれた合同学習会後の親睦会
ゆずりはの活動状況はホームページに紹介し、毎月、アップツーデートに更新しています。
内容は定例的な活動紹介のほかに「お知らせ」「最近の活動概況」「トピックス」「会報の特別記事紹介」などで構成しています。また、これらの記事から原本入手をご希望の方にはお届けもしています。
定例的に、「月例会開催」「会報発行」「がん部位別部会活動」「24時間電話相談」などの活動をしています。月例会は「交流会」と「学習会」の2部構成で、前者は出席者の当面の関心事について自由に語り合う“支え合いと癒しの場”となっています。
後者は講演会、体験発表会、見学会などで“学習し合う場”としています。会報は行事予定紹介、月例会報告のほかに会員や例会参加者、支援者からいただいた寄稿文を載せるなど、毎月8頁編成で発行し“ゆずりはならではの会報”だと評価をいただいております。
今は「“病と向き合ってどう生きるか”を考えるネットワーク構築とその拡大」をゆずりはの重点課題としています。ゆずりはは地域を限定しない患者会ですが、地域によっては、近くに自分たちの患者会を持ちたいとのニーズがあり、2003年からその設立も支援してきました。
神戸市近郊では、ゆずりは淡路、ゆずりは明石、あじさい会患者会(姫路市)があります。各患者会はおのおのが主体的に活動をすすめますが、交流を緊密に行うと同時に学習会を相互に開放することによって互いの活動レベルを高めることを目指して連携しています。
今年3月には連携4患者会の合同学習会を開き、アルフォンス・デーケン氏(上智大学名誉教授)を講師にお招きし「最期まで笑って生きるために」と題する講演会を開催しました。「生と死」という奥深いテーマの説明を先生から直接お聞きして、病と向き合っている私たちが「どう生きていくか」の参考になったと考えています。
このように連携関係を充実させ、かつ、その輪を広めて1人でも多くの方に参加いただければと願って活動しており、「兵庫・いのちと生きがいプロジェクト」からも支援金をいただき成果を収めています。
全国的な活動としては、ゆずりはは「日本ホスピス・在宅ケア研究会」の副理事長を務めています。また「全国がん患者団体支援機構」の活動にも協力し、今年広島で開催された“第3回がん患者大集会”の理事にも選任されました。毎年の全国大会には、それぞれの代表が何名か参加して視野を広めるように努めています。
行政面では、「ひょうご対がん戦略会議」の委員を委嘱されており、県の行政にゆずりはの考えを反映させるように活動を続けています。
ゆずりは
〒651-2109 神戸市西区前開南町1-2-1 代表 黒田裕子
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