目や鼻の回りのほくろ、皮膚がんが心配

回答者:山崎 直也
国立がん研究センター中央病院 皮膚科医長
発行:2005年4月
更新:2013年12月

  

最近、目や鼻の回りにほくろが増えてきました。以前は2つか3つだったのですが、今は8つほどあります。1つひとつは小さく、見た目は普通のほくろです。ただ、年を取ってからできたほくろは皮膚がんの可能性もあると、テレビで見たことがあり、心配です。

(長野県 女性 53歳)

A 短期間に色、形、大きさが変化したら注意が必要

確かに成人してからできたほくろは、それが短期間に変化したものでしたら、悪性黒色腫や基底細胞がんなどの“黒いタイプの”皮膚がんの可能性があります。悪性度の高い悪性黒色腫には特に注意が必要です。診断のポイントは「色」「形」「大きさ」の3点です。色はまだらでむらがあり、形は真ん丸ではなくいびつで、大きさは6ミリを超えるような場合です。短期間、概ね3~4カ月くらいの間に変化し、これら3つの要素を満たしている場合は、悪性黒色腫を疑う必要があります。

色と形は当てはまる人も多いのですが、大きさまで当てはまる人は実際にはあまりいないものです。1つのめやすとして鉛筆の断面の直径が約7ミリですから、これより大きい場合は注意が必要です。

基底細胞がんは、悪性黒色腫よりも成長が緩やかで、ほとんどの方が目と鼻の周りに発生します。右の3つの要素に当てはまる場合はもちろん、そうでなくても、ご心配なら皮膚科の専門医を受診して下さい。素人判断は禁物です。

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