1期の大腸がん。術後によい食事はあるか?

回答者:大矢 雅敏
獨協医科大学越谷病院 第1外科主任教授
発行:2011年6月
更新:2013年11月

  

今年3月、大腸がんが発覚し、手術を受けました。病期は1期ということです。術後は定期的に検査を受けるだけで、とくに抗がん剤などの治療は行っておりません。手術後の食事について質問です。大腸がんはがんのなかでも、とくに食事ががんと深く関係しているということを本で読んだのですが、食事に関して、日ごろから気をつけておくべきことなどありますでしょうか。とくに今、治療など何もしていないので、不安でいっぱいです。

(熊本県 男性 68歳)

A 神経質になる必要はない。むしろ太りすぎに注意

大腸がんを起こしやすい食事としては、高脂肪食や赤身の肉などがよくないと、疫学的にはいわれています。大腸がんの手術後には、今回の大腸がんとは別に新たな大腸がんが発生することがありますので、こうした食事を控えると、新たな大腸がんの発生は少なくなるかもしれません。一方、術後3カ月ぐらいまでの早い時期に関しては、消化のよいものを選ぶこと、野菜や魚、肉などをバランスよく摂取すること、キノコや海藻などの繊維分が多いものを取り過ぎない程度の注意で十分です。

術後ある程度経過したら、注意すべきなのは、太りすぎないことです。もともと、肥満の方に大腸がんの患者さんが多いことが知られていますが、術後に10キロ近く太る方も中にはいらっしゃいますので、注意が必要です。

1期ということで、がん自体は90ペーセント以上治ります。ですから、術後は、あまり食事の内容について神経質になりすぎず、適度な運動、バランスよい食事を心がけ、太りすぎないように気をつけることが大切です。

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